第154号 2025年4月1日発行
PDF版はこちら (1.69MB)
2024年7月より消化器内科に主任医長として赴任した平野賢二です。赴任前は200床程度の病院の消化器内科の部長として勤務していましたが、昨今の小規模病院の医師不足は大変深刻です。消化器内科の医師が1年間自分1人しかいない時期もありましたし、人材不足でやむなく新型コロナの診療責任者を務めたりもしました。その後、ここでは書きづらい苦労や紆余曲折を経て、出身大学医局の斡旋により赴任しました。人生やり直すくらいの気持ちで来ました。
まず消化器内科について言えば、肝臓、胆膵、消化管の各領域の専門医が全部揃っているのが大きいです。どの病院の消化器内科のホームページを見ても「どんな消化器疾患でも対応します」と書いてはありますが、実際は盛られていることが多いです。当院消化器内科は9人(専攻医2名を含む)の医師がおり、肝臓、胆膵、消化管の各領域の専門医がいるため、掛け値なしでほぼ弱点がありません。具体的には
といったことが中核市中病院には求められますが、いずれの条件もクリアできています。若手医師のおかげで機動力もあり、緊急への対応力も高いと考えております。
病院全体についてという観点では一通りの科、専門医が揃っている一方で、大規模過ぎないため、他科との連携もスムーズです。「放射線科医不足で血管造影による止血ができない状況でも出血リスクのある治療や検査をしなければならない」といった事態がなく、こうしたことは当院を受診される患者さんにとっても当然ながら大きなメリットと思われます。
私自身は一貫として胆膵疾患を専門としており、総胆管結石の除去、悪性胆道狭窄(膵癌、胆道癌)への金属ステント留置、消化管ステント留置、経皮経肝胆道ドレナージ、超音波内視鏡下腫瘍生検など一通りの手技は行っております。同業者との比較で上手な方だとは思いますが、スーパー職人でもないでしょう。よく言えば安全第一でやっています。
他の医療機関を圧倒するレベルのものを一つ挙げるとなると、大学時代から専門としていた「AIP、IgG4関連疾患」になります。まだまだ珍しい疾患ですが、今回の赴任にあたって55人のAIP患者(+他疾患5、6人)を前勤務先より当院に紹介しています。そのせいもあってか赴任間もないのに外来が混雑してしまっていますが、ご容赦ください。一つの疾患だけで55人もついてくるのだから「面倒見が良い先生なのであろう」と好意的に解釈していだければ幸いです。
前勤務先在籍時に作成した動画です。
消化器内科外来で「肥満に伴う脂肪肝」の患者さんが多いことが作成のきっかけになりました。
Youtubeで「ダイエットの理論と実践」と検索すると出てきます。
減量したいが何から始めてよいかわからないという方、是非ご視聴ください。