第139号 2021年1月1日発行
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令和という新たな時代は、新型コロナウイルス感染症流行という思わぬ形で幕を開けることになりました。しかしながら、私たち東京逓信病院の職員にとって、日々患者さんに向き合い、質の高い医療を提供するという姿勢には変わりはありません。逆に、このコロナウイルス感染症流行は、医療サービスをとおして、私たちがどのように皆さまのお役に立つことができるかをあらためて考える貴重なきっかけとなりました。“心のかよった医療サービス”、“地域に密着した医療機関”、“医療をとおした生活支援” など、ともすればお題目を並べただけの表面的なものになりがちですが、当院がこれまで目指してきたこの目標が、新型ウイルスが流行し始めた昨年初めの先の見えない状況の中で、私たちの大きな支えとなりました。
当院は新型コロナウイルス感染症流行の早い段階から「帰国者・接触者外来」を開設し、初動対応を開始しました。また、それと並行して、現有の設備、人員で、この感染症に対してどこまでの対応ができるかを慎重に検討いたしました。その結果、東京逓信病院は、軽症から中等症の地域の患者さんを受け入れ、ハブとしての医療機関の役割が重要であるという認識に至りました。現在は、手指衛生やマスク着用など、これまでの感染予防策を徹底し、それに加えて病院入り口での発熱者の振り分け、スクリーニング外来の新型コロナウイルス感染者の発見、PCR検査による診断など、皆さまが安心できる形で感染症への対応を確実に行っております。
新型コロナウイルスに対する対応は、決して当院が単独で行えるものではありません。これまで、地元の医師会や、千代田区、東京都といった行政からも多大なるご支援をいただきました。そして、このことこそが、地元、地域との深いつながりを示すものであったと私たちは考えています
感染対策を実施するにあたっては、面会者や入館時間の制限など皆さまにも大きなご負担をおかけいたしました。この書面にてお詫びするとともに、今後はより多くの皆さまにもご理解をいただけるよう、ご説明や周知を心がけてまいります。
昨年から私たちが行ってきた感染症対策をはじめとする医療サービスが、皆さまのご期待に添うようなものであったのかは、当院を利用する皆さまに判断していただきたいと思っています。私たちは、より良い医療を目指して、「ご利用者の声」などで、皆さまのご意見を真摯にお聞きいたします。
東京逓信病院は、この困難な時にこそ皆さまの健康な日々の生活を支えてまいります。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。