第152号 2024年4月1日発行
PDF版はこちら (2.04MB)
昨年4月1日に病院長に着任して1年が過ぎました。この1年を振り返ってみますと、まず着任早々、当院が「東京都がん診療連携拠点病院」に指定されました。がん診療連携拠点病院と同等の高度な診療機能を有する病院として東京都に認定されたということであり、多職種によるキャンサーボードの充実など、専門的ながん医療提供体制のさらなる向上に取り組んでいます。また、当院は地震をはじめとする災害に対処する災害拠点連携病院であり、2023年4月から救急総合診療科に専門の医師3名を配置し、年間5,000台を超える救急搬送を受け入れ、さらに応諾率を増やすべく努力しています。
新型コロナウイルス感染症については5月に第5類へ移行したことを受け、コロナ病棟を9月末に閉鎖し、10月から一般急性期病棟1フロアーを再開しました。新型コロナウイルス感染症は一般的には軽症化したと言えますが、高齢者や免疫不全の患者さんにとっては依然として重症化リスクの高い感染症であり、時々起こる院内感染に対しては個室隔離など早急に対応して拡大を抑えることができています。また、MRSA(抗生物質が効かない細菌)等の水平感染の予防は安全な医療に欠かせないものであり、アルコール等の手洗い遵守の注意喚起を着任後から繰り返し行い、手洗い実施率の低い診療科・病棟には指導介入を行うなど感染予防の意識を醸成中です。医療安全についても、現場からの報告を共有し、より安全な医療の実現に向けて日々努力しております。
医師の異動としては、2023年1月1日に森芳久リハビリテーション科部長が着任したことを受け、リハビリテーション部門のさらなる充実を図り、病棟でのリハも開始しました。2023年4月1日には眼科に榎本暢子主任医長、小児科に大塚里子主任医長、精神科に成田耕介主任医長が、9月1日には循環器内科に東谷廸昭主任医長が赴任され、眼科では白内障・緑内障手術の件数が増え、短期入院や眼内注射の外来施行など、患者さんに便宜を図っています。循環器内科ではカテーテル治療の枠が増え、お待たせすることなく施行できるようになりました。小児科では通常診療のほか、ダウン症、食物アレルギー、起立性調節障害などに対応しています。精神科では外来の他、緩和ケア、リエゾン(身体疾患で入院中の患者さんのケア)としての活動も積極的に行っています。
今年度から、ながらく常勤不在であった婦人科に医長が、耳鼻咽喉科に頭頚部がん専門医が主任医長として着任いたしました。また心房細動をはじめとする不整脈治療(循環器内科)、固定をしない脊椎外科治療(脳外科)などを新たに開始します。人間ドックも午前・午後の2枠に増やし、内視鏡枠・女性枠の拡大も予定しています。
また当院はこの4月に紹介受診重点医療機関に指定されました。今後は2ドクター制をさらに推進し、連携医の先生を中心に紹介・逆紹介を進めていきたいと考えております。今後も良質で安心・安全の医療を提供するように病院全体が一丸となって取り組む所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。