第143号 2022年1月1日発行
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新型コロナウイルス感染症は3年目をむかえました。感染症の勢いには明るい兆しがみえるものの、「第6波」の懸念は今も付きまとっています。新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちの日常を大きく変えてしまいましたが、その一方で当院の職員には多くの気付きと自分たちの医療サービスを振り返る機会を与えてくれました。なかでも大きな収穫は、東京逓信病院がこれまで、地域の皆さまに支えられていたことを実感できたことだと思います。また、どのような状況においても、私たちは最善の医療サービスを皆さまに提供することが使命であることをあらためて認識いたしました。それは当院がこれまで目指してきた「心のかよった医療サービス」、「地域に密着した医療機関」、「医療をとおした生活支援」といった目標の延長線上にあるものにほかなりません。
当院は、これまで新型コロナウイルス感染症中等症患者の受け入れのため、都内の感染状況に応じて臨機応変に病棟を組み換え、感染症病床数を調整してきました。これにより、現有の設備、人員を最大限に活用できましたが、これまで私たちが経験したことのないようなパンデミックにどのように向き合っていくかは今も大きな課題となっています。このたびの対応では、当院の職員だけでなく、入院患者さんにも大きなご負担をおかけすることになってしまいましたことを、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。
院内の感染対策では、これまでの感染予防策を徹底しつつ、病院の外来玄関と人間ドックのある管理棟玄関に入館者の検温モニターを設置いたしました。また、入院時検査、術前PCR検査は、ルーチンで行うことにいたしました。
日常の診療体制には面会者や入館時間の制限、病院入り口での発熱者の振り分け、スクリーニング外来など、いまだ影響が残りますが、当院ではすでにコロナ後を見すえた対応を開始しています。当院では年初にも予定している、3回目のワクチン接種に向けて、職員のワクチン接種を旧年中に終了いたしました。病棟編成も、感染再拡大に備えつつ、より柔軟な対応が可能のものにいたしました。
東京逓信病院は、これからもこの困難な状況の先にあるものを見つめて皆さまの健康な日々の生活を支えてまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。