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けんこう家族 第146号

第146号 2022年10月1日発行

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インフルエンザワクチン

高瀬 眞人

小児科 部長
高瀬 眞人


インフルエンザについては、国内で新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年2月以降、患者報告数は急速に減少し、2シーズンにわたってインフルエンザウイルス検出の報告はほとんど見られていません。これは、新型コロナウイルス感染症対策がインフルエンザの感染予防にも効果的であったからです。しかし、2021年後半から2022年前半にかけて、世界各国においてインフルエンザの流行がみられています。

1.2022-2023年シーズンは、インフルエンザが流行する可能性が大きい

南半球のオーストラリアでは、わが国と同様に2020年および2021年は、インフルエンザ患者は極めて少数でしたが、 2022年は4月後半から真冬の7月にかけて、例年を超える本格的な流行が起こりました。今後、入国制限が緩和されて国際的な人的交流が増加すれば、インフルエンザウイルスも持ち込まれますが、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫は低下しているため、一旦感染がおこると、冬のシーズン前にも大きな流行となるおそれがあります。また、今年は世界的にA香港型と呼ばれるウイルス型が主流となっていますが、A香港型の流行では、インフルエンザによる死亡や入院が増加することが知られており、特に警戒が必要です。

2.今季もインフルエンザワクチン接種を推奨します

ワクチン接種イメージ

インフルエンザワクチンには、4種類(A型2種類、B型2種類)のウイルス型が含まれており、A香港型もそのうちの一つです。一般に、ワクチンは、発症予防効果とともに重症化防止効果が期待できます。わが国では新型コロナウイルス感染症の流行も続いています。ワクチンで予防できる疾患についてはできるだけ接種を行い、医療機関への受診を抑制して医療現場の負担を軽減することも重要です。

3.ワクチン接種が是非必要な人

ワクチン接種が是非必要な人は、65歳以上の高齢者、5歳未満のお子さん、そして年齢には関係なく、心臓や肺などに慢性の持病のある方、悪性腫瘍で治療中の方、高度肥満の方です。また、これらの方と一緒に生活されておられる方、学校や職場で人との接触の多い方も積極的に受けて頂きたいと思います。最近2年間、インフルエンザが流行しなかったので、特に小さなお子さんでは免疫がない場合が多く、ワクチン接種が非常に重要です。

4.例年通りのインフルエンザ対策が必要です

今季は、発熱された患者さんでは、ワクチン接種歴に関わらず新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方のウイルスに対する検査が必要となることがあります。両者が合併して重症になる場合もあるでしょう。インフルエンザと診断されると、抗ウイルス薬による治療を検討することとなります。抗ウイルス薬は、インフルエンザの重症化、死亡を抑制します。高齢者、小さなお子さんなど重症化のリスクのある方は当然治療の対象ですが、リスクを持たない健康な人でも重症化することはあり、その予測は困難です。従来通りのインフルエンザ対策としてワクチン接種を積極的に行っていただきたいと思います。


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