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緑内障レーザー:選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)

緑内障とは

 緑内障では、目の中でつくられた水(房水)が目の外に出ていく経路に問題があり、眼圧があがります。房水が目の外に出ていく出口(角膜と虹彩が出会う場所)を「隅角」と呼び、そこには「線維柱帯(せんいちゅうたい)」というフィルターがあり、その先の房水に流れていく下水管がつまらないようになっています。
 緑内障には、隅角の広さにより、閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)と開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)がありますが、閉塞隅角緑内障では隅角が狭いために、房水が目の外に出ていきにくくなります。開放隅角緑内障では線維柱帯に細かい細胞のカスなどが溜まって房水の流れが悪くなり、眼圧が上がります。(「緑内障とは?」をご参照ください)。

図1 YAG/SLTレーザー装置(TaNGO)

図1 YAG/SLTレーザー装置(TaNGO)

レーザー線維柱帯形成術

 開放隅角緑内障のレーザー治療の1つとして、フィルターである線維柱帯にレーザーを当てて、フィルターの通りを良くしようという治療法が「レーザー線維柱帯形成術(Lase Trabeculoplasty)です。(図2)
 選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)より前のレーザー線維柱帯形成術では、レーザー光線の当たった部分の線維柱帯が壊れてしまうので、時間がたつと瘢痕(はんこん)になり、眼圧がまた上がってくるという欠点がありました(図3左)。
 しかしSLTは、線維柱帯のフィルターの目につまった細胞のカスだけ(色素細胞)を選択的に蒸発させる(図4)ので、線維柱帯自身には傷害を与えず(図3右)、フィルターがまた目詰まりして眼圧が上がってきたら、繰り返し治療することができます。

図2 レーザー繊維柱帯形成術

図2 レーザー繊維柱帯形成術

図3 レーザー治療後の繊維柱帯の電子顕微鏡写真

図3 レーザー治療後の繊維柱帯の電子顕微鏡写真
(左:SLTより前のレーザー繊維柱帯形成術、右:SLT)

図4 SLTではフィルターにつまった「カス(色素細胞)」を蒸発させる

図4 SLTではフィルターにつまった「カス(色素細胞)」を蒸発させる

SLTの治療対象

 治療の対象は特殊な緑内障のタイプを除く、開放隅角緑内障で、治療効果(どのくらい眼圧が下がるのか)は様々で、治療をしても眼圧が下がらないことも1~3割程度あります。また、眼圧が下がる場合でも、その程度は緑内障の点眼薬1成分程度の効果といわれており、濾過手術などの手術ほどの強力な治療ではありません(治療前の予測が困難です)。そのため、病型(緑内障のタイプ)・病状や緑内障の進み具合(視野異常の程度など)によっては治療が適さないこともあります。
 現在、緑内障治療の中でのSLTの位置づけ(どのような病状の緑内障患者さんに最適な治療法なのか)は未だ議論されているところではありますが、点眼薬のアレルギーがあり目薬を使いにくい患者さんなどでは、治療法の選択肢の一つとして考えることもできます(アレルギーを起こす薬だけやめて、アレルギーを起こさない点眼薬を続けるような治療も可能です)。
 治療の合併症(副作用)は、かすみ・充血・違和感などの軽症のものが多く、前房出血(眼の中の出血)の報告もありますが稀で、多くは1週間以内に消えます。しかし治療後に一過性に眼圧が上がることがあるので、レーザー後に眼圧を確認します。治療前準備を含めるとおよそ3時間程度は病院にいていただく必要があります(入院の必要はありません)。治療にかかる費用は1割負担の方では1万円程度、3割負担では3万円程度です。
 緑内障は、生涯にわたり進行する病気ですので、眼圧や視野障害の進行状態を確認しながら治療を継続して受けていただく必要があります。レーザー治療を受けたからといって、緑内障が治ってしまうことは決してありませんので、引き続き通院を続けていただくことが最も大切です。

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