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  糖尿病網膜症の検査と治療
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糖尿病網膜症の検査と治療

糖尿病網膜症の検査

図10 図9の黄斑部のOCT断面像
図10 図9の黄斑部のOCT断面像

 眼の状態を調べる一般的な眼科検査の他に、糖尿病網膜症の検査として特徴的なものは、「フルオレセイン蛍光眼底撮影」と「光干渉断層計(OCT)検査」で、どちらも外来で行っています。
 フルオレセイン蛍光眼底撮影は、フルオレセインという色素を静脈に注射しながら青い光で眼底撮影すると、ふつうは目に見えない毛細血管を浮かび上がらせることができる検査で、増殖前網膜症や増殖網膜症の診断に用います。
 OCT検査は、緑内障や加齢黄斑変性など他の疾患でも行う検査ですが、糖尿病黄斑症の診断に威力を発揮します。

糖尿病網膜症の治療

 糖尿病網膜症の治療は、網膜症の病期(「糖尿病網膜症の経過」①~⑦)によって異なります。全病期を通じて血糖のコントロールは大前提です。眼の治療だけ行っても網膜症の進行を抑えることは出来ません。さらに、最近では血糖のコントロールだけでなく、高血圧や脂質異常症(LDLコレステロールや中性脂肪)が網膜症の進展に影響を与えることがわかってきましたので、血糖、血圧、コレステロール値、中性脂肪などの値をよくすることが大変重要です。
 ①網膜症がない場合、と②単純網膜症の時期は、血糖コントロール第一で、網膜症が悪化してこないか経過観察します。毛細血管瘤が原因の限局浮腫が起こった場合は、部分的にレーザー光凝固を行うこともあります。
 ③の増殖前網膜症は、糖尿病網膜症の治療でとても重要な時期で、タイミングを逃すと重症増殖網膜症へと進行し、最悪の場合は失明してしまいます。この時期にはレーザー光凝固療法を行います。
 ④、⑤の増殖網膜症になると、失明の危険が非常に高くなるので、黄斑部を除いた網膜全体に光凝固を行う「汎網膜光凝固(はんもうまくひかりぎょうこ)」を行いますが、硝子体出血のために十分光凝固ができないこともあります。その場合は、「硝子体手術」を行って、出血を取り除き、手術中に光凝固を行います。
 ⑥の増殖停止網膜症になると、過去の治療により網膜症の進行は停止している状態ですので、経過観察のみとなります。
 ⑦黄斑症では、病変は黄斑部にあるのですが、通常の光凝固はできません。黄斑部網膜にレーザー光線を当てるとその部分の網膜がやられて視力が戻らないからです。そこで、抗VEGF薬を注射する方法(「抗VEGF抗体(抗血管新生薬)療法のご紹介」)で網膜の浮腫を減らす治療法が行われています。抗VEGF薬は元々は加齢黄斑変性の治療薬として開発されましたが、糖尿病黄斑症にも効果があることがわかり保険診療で使えるようになりました。

治療しない場合はどうなるか?

 糖尿病の治療もせず、糖尿病網膜症の眼治療もおこなわない場合は、糖尿病網膜症が進行して、最終的に血管新生緑内障や網膜剥離を起こして失明(光も分からなくなる状態)します。それだけでなく、眼圧が上昇するために目が痛むようになります。


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