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けんこう家族 第111号【4】

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鼻の場合

耳鼻咽喉科 部長 八木 昌人

耳鼻咽喉科 部長
八木 昌人

花粉症とは

 花粉症を持つ身にとっては、またうっとおしい時期がやってきます。かく云う私もその一人です。何しろ日本人の約30%がスギ花粉に反応するといわれており、言い方は悪いですが、「石を投げれば花粉症に当たる」といってもよいのです。まさに国民病です。

 では、花粉症はどのようにして発症するのでしょうか。人間の体には、「自警団」のようなものがあり、外から異物が入ってきたときにそれを排除しようとする機能があります。ただ、この「自警団」は少々頼りないところもあって、スギ、ヒノキ、ヨモギの花粉といった本来無害なものに対しても、過剰に反応(アレルギー反応)してそれを体外に排除してしまうことがあります。花粉症はこうしたアレルギー反応によりくしゃみ、鼻みず、鼻づまりが生じる病気です。花粉症の原因となる植物は数多くあり、飛散期間は春から冬までほぼ1年中にわたっています。とくに、スギ花粉症の約70%はヒノキの花粉にも反応するといわれており、この場合、花粉症の症状は5月ころまで続きます。

花粉への対策

 花粉症を発症させないために一番重要なことは花粉を浴びないことです。そのためには、インターネットなどで花粉の飛散状況を正確に把握して行動することが必要です。また、外出時にはマスクやゴーグルをする。外から花粉を持ちこまないように、洗濯物は屋内に干す、家に入る時は、よく服をはたいてからはいる、といった配慮も効果的です。喫煙、睡眠不足、過労、ストレスなどもアレルギー症状を悪化させる要因といわれているため、花粉飛散期間はこれらを避けるといった配慮も必要でしょう。

花粉症の治療

 花粉症に対する根本的な治療は、花粉に対してアレルギー反応を起こさせなくする、つまり「自警団が花粉の排除をしない」ようにすることです。舌下免疫療法といって、スギ花粉のエキスを舌の下に滴下して2分間おくという治療法が近いうちに実用化されます。ただ、この治療により「体内の自警団」がどの程度花粉に反応しなくなるかはまだはっきりしません。そのため、当面花粉症治療は薬が中心です。

 花粉症の治療薬は他の薬剤との相互作用により重症な副作用の出る薬は少ないのですが、医療機関受診時に他の病気で使用している薬があればおっしゃってください。花粉症の薬物治療の特徴として、症状が出てから使用を開始するよりも、花粉飛散時期よりも前から内服したほうが軽くすむという事実があり、花粉飛散予測日の1~2週間前から薬を飲み始めることがあります。これは初期療法として位置づけられています。花粉症の治療薬の中心は「抗ヒスタミン剤」、「抗ロイコトリエン薬」といった種類の薬が使用されます。「自警団」の放出した武器(ヒスタミン、ロイコトリエン)を使えなくする薬をイメージしてください。多くの種類の薬が発売されていますが、眠気の少ないもの、1日1回の内服ですむもの、鼻づまりに効果的な成分を配合したものなど選択肢も豊富になっています。また、花粉症治療薬のもう一つの柱はステロイドです。ステロイドには「自警団」をおとなしくさせる作用があります。そのため、効きすぎると本当にやっつけて欲しい「敵」も通してしまう可能性もあるため、ステロイドは怖い薬といったイメージもあります。そのため、ステロイドの内服治療は重症の時期にどうしても必要な場合にのみ使用されます。それに対して、鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)は、微量で局所での抗アレルギー効果が強く、しかも全身的な副作用はほとんど生じないといわれています。通常、鼻噴霧用ステロイド薬は内服薬と併用されていますが、眠気の副作用がないためどうしても抗ヒスタミン薬の内服ができない場合には単独で使用されるケースもあります。このほか、漢方薬として、小青竜湯がよく使われます。ただ、小青竜湯の場合、含まれている麻黄が、動悸やのぼせといった副作用引き起こす可能性もあり、注意してください。

 薬による治療によっても症状が十分改善しない場合、手術治療が考慮されます。手術といっても下鼻甲介粘膜焼灼といった入院の必要のないものから、鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術のように入院の必要なものまで多岐にわたります。下鼻甲介粘膜焼灼術は鼻の粘膜の表面をレーザーなどで焼いて、粘膜の委縮と、粘膜表面に存在する腺組織の減少をはかる手術です。効果は個人差が大きく、薬が全く必要なくなるくらい改善する人もいれば、薬の助けが必要な人もいます。効果は1~2年くらいと考えてください。

 以上、当科で実施できるものを中心に述べさせていただきました。花粉症の治療は重症度や薬に対する反応が様々であることから、一人ひとりオーダメード治療が必要といった側面もあります。市販薬もいろいろありますが、一度当科にご相談ください。

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