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けんこう家族 第113号【2】

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うつ病の話 第2回

精神科 部長 亀山 知道

精神科 部長
亀山 知道

 前回は、うつ病には、落ち込む原因のはっきりしている「反応性うつ病」と、はっきりとした原因なしに起きる「内因性うつ病」があること、「内因性うつ病」の方の場合には、十分な休養と抗うつ剤を中心とした薬物療法が治療の主体となることを述べました。

 確かに、内因性うつ病の場合、周りの環境の変化などが多大なストレスとなって「うつ状態」になるのではないのですが、発症要因が全くないという訳ではありません。経験的には、本人のもともとの性格がうつ病の発症にかかわっていると思われるケースが少なくないのです。つまり、うつ病になりやすい性格があるのです。

 その性格とは、真面目で、几帳面で、物事をきちんとやらなければ気が済まない、といったものです。私は、この真面目さは高く評価される良い性格だと思っています。しかし、状況によっては、融通が利かず、臨機応変の対応ができず、人に任せられず、自分でかかえこんでしまう、という結果になってしまうこともあるのです。

 実際に、内因性うつ病の方は、「自分は与えられた仕事をコツコツこなすことはできるが、人にものを頼んだり、指導したりするのは得意ではない。」と言います。そして、「上司などに仕事を頼まれると、断わることができず、無理と思っても、仕方なく引き受けてしまい、結局、仕事がたまってしまい、処理しきれなくなる。」と話す方が少なくありません。

 さらに、内因性うつ病の方は、何かまずいことが起こった時に、他人のせいにすることがなく、「自分のせいにする」という特徴があります。他罰的にならず、自責的になるのです。自分を責め、周りの人に申し訳ないと思い、余計落ち込んでしまいがちです。

 最近、長期休職中のうつ病の患者さんが、復職前に、リワーク(復職支援のデイケア)に通うことが増えてきました。私は、これは非常に良いことだと思っています。

 リワークは復職を間近にひかえた患者さんの復職支援として、1週間に4〜5回、1日6〜7時間のプログラムを提供しているところが多いようです。長期に休んでいた患者さんの体力の回復、生活リズムの回復だけでなく、休職に至った原因のひとつと考えられる自分の性格を学び、対処の仕方を学ぶ、といったプログラムが組まれており、特に、「内因性うつ病」の患者さんの復職と再発防止に有用であると思っています。

 10年以上前、入院中の内因性うつ病の患者さんが、だいぶ元気になり、自宅への外泊もはじめていました。友人の面会を受け、その友人に1泊旅行に誘われました。本人は「入院中に旅行に行くとは不謹慎ではないか。しかし、断わると、自分のことを思い、旅行に誘ってくれた方に申し訳ない。」と悩み、私に相談してきました。私は、「友達との1泊旅行は、気分転換にもなるから行って来なさい。」と勧めたのですが、本人がためらっていたので、私は、「外泊を長くして、その間に行くこと。旅行のことは誰にも話さず、あなたと私の2人の秘密にしておこう。」と、話して診察を終えました。

 しかし、この秘密は、病棟の看護師さんに、すぐにばれてしまいました。なぜなら、私は、迂闊にも、この私の発言を、そのままカルテに書いてしまっていたのです。

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