健康管理から見た防災時に必要な食料について
栄養管理室長
内科部長
川村 光信
最近、災害が多く、様々な対策が喚起されています。食料面での最低限の対策を述べたいと思います。
1日に必要な水分量は2.5~3L
人間は食事がなくてもしばらくは生命維持が可能なものの、水なしでは数日も持ちません。何と言っても飲料水の確保が重要です。緊急時の必要最低水分量は一日2.5~3L。(食料中の水分量も含む) よって、飲料水として少なくとも1人当たり1日2Lくらいは確保したいところです。防災対策として常備しておく水は3日分以上という見解があります。
非常食の準備・避難所での食事
基本的には、非常食は、高カロリーで手軽に摂取できる、軽量のものが便利。
- 重大非常時(避難中など)の高カロリー非常食:マヨネーズ、スプレッド(パンなどに塗る塗り物)、ピーナッツバターなど。避難中やレスキューを待つ時間、非常袋に。(瓶入り不適)1人分のミニサイズが便利。またピーナッツ以外のナッツバターもお勧め。
- インフラ不備でも食べれる非常食: 魚・肉・豆の缶詰、果物の甘い缶詰。
そのまま食べれる。持ち出しに不適なので、自宅に確保。この2つで、三大栄養素の炭水化物、蛋白質、脂質のカバーが可能。
- 状況が少し落ち着いてからの非常食:レトルト食品、インスタント食品、お菓子、マルチビタミン。インフラに多少の支障はあっても状況が落ち着いた時に。
また、半永久的に貯蔵可能な食料は、小麦粉、乾燥大豆、塩、白米、乾燥パスタ、ベーキングパウダー、植物油など。
大切なのは、日頃からの家庭内非常食備蓄への意識です。
非常食(買い置き食品)の例
主食(炭水化物)
- 白飯(α化米、真空パック)
- レトルト粥
- 缶詰パン
- 水戻し餅(水で戻して食べられる)
- 乾燥麺
- カップ麺
- かんぱん、クラッカー
主菜(蛋白質、脂質)
- ツナ缶
- 鮭・サバの水煮缶
- 大豆の水煮
- 鶏そぼろ缶、焼き鳥缶
- コンビーフ、大和煮
- レトルトカレー、シチュー
- ミートソース
副菜(ビタミンほか)
- 乾燥野菜(切干大根、大根菜、ごぼう、人参、干しいたけ、乾わかめ)
- トマト缶、フルーツ缶
- 比較的長期に保存できる野菜(じゃがいも、人参、南瓜など)
その他
非常食として常備する食品はサイクル保存がおすすめです。