リハビリテーション(以下リハビリ)科は病院の一階にあります。MRI検査室へつながる廊下の入り口付近に理学療法室、作業療法室、言語聴覚室、診察室がまとまっています。
現在リハビリ科を利用する患者さんは一日に140~170名、スタッフが18名ほどいますので、訓練室はかなりにぎやかです。
昨年の年間の延べ利用者数は理学療法が19600人ほど、作業療法が7400人ほど、言語療法が3300人ほどでした。
リハビリというと骨折や脳卒中のあとに行うというイメージがありますが、リハビリをする理由の内訳をみてみると、骨関節疾患で利用する方が54%、脳卒中などで利用する方が9%、パーキンソン病などで利用する方が10%、呼吸器や心臓のご病気や悪性腫瘍の治療中の方などが27%となっていて、じつに三分の一ほどのかたは体全体のコンディションを整えるための運動療法を受けておられるのです。
年齢分布を見てみます。脳神経外科(脳卒中など)や神経内科(脳卒中やパーキンソン病など)、外科や内科に入院中のかたたちの合計です。
グラフを見ていると、脳卒中などの症状から再び日常生活へ戻っていくための訓練、治療中の体力維持をするための訓練、また、ご病気や治療で変化した体のコンディションを戻すための訓練など、毎日練習をしている方々の姿が頭に浮かんできます。
リハビリテーションという言葉の語源は「再び適応する」とか「破門などを解かれる」ということだそうです。破門を解かれるとは穏やかでありませんが、帰ってこようとしている人を迎え入れるプロセスと考えるとしっくりくるかもしれません。
病院でのリハビリは投薬や検査同様、保険医療制度を使って行われますので怪我やご病気があるときに診察をうけてから始まります。
骨や関節のご病気のかたは整形外科で診察をうけ、整形外科医師がリハビリの指示を訓練士に出します。整形外科におかかりでないかたは、各診療科から連絡をもらってリハビリ科医師が診察しリハビリの指示を出しています。
リハビリが必要な状態だろうかと思われた時にはまず主治医にご相談いただき、整形外科かリハビリテーション科の外来を受診なさってください。