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けんこう家族 第126号【3】

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中高年の膝の痛み

整形外科医長 栗林 聰

整形外科医長
栗林 聰


中高年の膝の痛みとして、一番多くみられるのは、膝の内側の痛みです。ここは、ももの骨(大腿骨)と、すねの骨(脛骨)の間をつなぐ膝の関節を形成している部分です。膝のなめらかな動きを担うために、表面が関節軟骨で覆われており、軟骨と軟骨の間にはクッションとなる半月板という組織が存在します(図1)。加齢と共に半月板が変性(ばさばさになってしまう)を起こし、同時に軟骨自体もすり切れてきてしまうため、痛みを伴うようになってきます。
この現象が始まると、次に述べる変形性膝関節症といわれる状態になります。

図1)出典:「病気&診療 完全解説BOOK」(医学通信社発行)一部改


図2)出典:「病気&診療 完全解説BOOK」(医学通信社発行)

変形性膝関節症

関節の間にある軟骨や半月板がすり切れて、レントゲン写真上で骨と骨の間が狭くなってくると、この診断がつきます。日本人はO脚といって、気をつけの姿勢をとったときに、足首よりも膝の内側に間があいてしまうことが多いといわれています。脚の付け根(股関節)から足首の中心に線を引いたときに(荷重線)、O脚では膝付近をこの線が通る際に、より内側にきてしまうため、外側よりもより内側が削れてしまうことになります(図1)。したがって、内側に痛みが出ることが多くなるのです。

変形性膝関節症といわれたら

一番良い治療方法は何をするにも体重がかかる関節なので、ずばりダイエットです。次にやるべきことは、膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)の筋力訓練です(図2)。この筋肉を鍛えることで、膝関節内の炎症や痛みを引き起こす物質を抑制する効果があるとされています。これでもだめな場合、膝にかかる荷重の位置を変える足底板(図3)、痛み止めの内服や、ヒアルロン酸の注射などが選択されます。
これらの治療法が効かない場合、当院では手術を勧めています。

これとは違う痛みだ

以上述べたものは典型的なもので、これとは位置が違う、または急な痛みを生じる時は、半月板が特殊な切れ方をしていたり、骨が一部死んでいたり(骨壊死)する場合があります。これらの疾患にも筋力訓練は効果がありますので、まず試して頂きたいと思います。症状が良くならない場合は、専門家の診断が必要となります。当院では膝専門外来を開設していますので、お気軽にご相談ください。


語りあいの会予定表

図3)足底板

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