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ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第127号【6】
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けんこう家族 第127号【6】

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リワーク(休職中のうつ病患者さんの復職支援のデイケア)の紹介

精神科部長 亀山 知道

精神科部長
亀山 知道


これまで、精神科の三大疾患である統合失調症、躁うつ病、神経症と、社会の高齢化に伴い急増している認知症を中心に述べてきました。
私が精神科医になった昭和52年には、長期間精神病院に入院している統合失調症(当時は精神分裂病と呼ばれていました)の患者さんが多数いて、その治療、退院、社会復帰が最大の課題でした。その問題は、完全ではありませんが、ある程度解決されました。
そして現在の最大の問題点は、うつ病患者さんの増加です。
近年、職場環境(仕事内容や人間関係)に適応できず、うつ状態となり、長期休務を強いられている方が急増しており、大きな社会問題になっています。そのため、長期間休職したり、病休や休職を繰り返しているうつ病患者さんの社会復帰を促し、復職後の再発を防ぐ目的で、うつ病のリワーク(復職支援のデイケア)を行なう施設が増えてきました。
当精神科でも、平成27年7月にリワークを立ち上げ、これまでに約70名のメンバーを受け入れました。郵政社員の利用が多いですが、郵政以外の方も受け入れています。他院通院中の方の場合は、主治医交代を行ない、リワーク通所中は当科の精神科医が主治医としてかかわることを原則としています。
当科のリワークは、祝日を除く月から金までの週5日、9時30分から15時30分までの日程で行なっており、期間は原則4か月間です。一度に5~8名のメンバーを受け入れており、最初から最後まで同じメンバーが集団でプログラムをこなします。原則として2か月ごとにメンバーを受け入れていますので、常時2グループが通所している形になります。
保健師、看護師、臨床心理士、それぞれ1名がスタッフとしてかかわり、プログラムを進めるだけでなく、定期的に個人面談も行なっています。
プログラムは、オフィスワーク、心理教育、ストレス対処法、セルフケア、集団療法、ジョブトレーニング、集団認知行動療法などがあります。通所開始1か月目は、体力の回復、生活リズムを整えることを主眼とし、2~3か月目は種々のプログラムをこなす中で、過去の働き方を振り返り、ストレスへの対処法、再発防止法などを学習します。そして4か月目は実際の出勤時間に合わせて職場に顔を出すなど、復職準備です。
当科のリワークの成績は良好で、終了者の復職率は90%を超えており、復職者の再休職率は10%以下です。
毎日の通所のため、医療費がかなりかかりますが、自立支援医療費制度を申請すると、自己負担は1割に軽減されます。
復職をめざしリワーク通所を希望するうつ病の方は、精神科を受診してご相談下さい。

長年にわたって、「けんこう家族」に掲載させていただきましたが、私のお話は今回が最後です。主治医として私がかかわっていない患者さんからも、「けんこう家族を読んでいます」と、笑顔で声をかけていただくことが多々ありました。ありがとうございました。

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