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けんこう家族 第129号【2】

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膵臓癌と関連する病気
「膵管内乳頭状粘液性腫瘍(IPMN)」について

外科部長 奥田 純一

外科部長
奥田 純一


まず逓信病院外科に関しまして、改めてご挨拶させていただきます。当科は胃、大腸、肝臓・胆道(胆嚢・胆管)・膵臓といったお腹の中の臓器はもちろんのこと、乳腺、甲状腺、血管の病気やヘルニアに関しても各領域にそれぞれ専門家のスタッフを配しています。さらにどのような病状であっても、逓信病院の各科と連携して最後まで患者さんに責任をもって診させていただく方針のもと治療に当たっています。また、救急総合診療科との連携も密で、緊急疾患に即応できるのも当科の特色です。さらに全ての治療に当たって、腹腔鏡手術や縮小手術の適応を考慮し、患者さんにできるだけ負担のかからない手術をするよう心がけています。
さて、今回は私の専門分野である、肝臓・胆道・膵臓の疾患の中で、死亡率が年々増加傾向にある膵臓癌と関連する病気、「膵管内乳頭状粘液性腫瘍」について解説したいと思います。
膵管内乳頭状粘液性腫瘍という名前は非常に長いので、私たち医師は英語の病名の頭文字をとって「IPMN」と言っています。

どのような病気か?

IPMNという病気は、膵臓に比較的小さな粘液のたまりがブドウの房のように集まって、一つの病変を作ってきます。膵臓に限らず、液体が溜まった袋のことを「のう胞」と言いますが、のう胞には、腫瘍性のものとそうでないものがあります。腫瘍性ののう胞の中の一つが、IPMNという病変です。のう胞壁にある腫瘍細胞が、粘液を作るため、内部に粘液を貯めていますが、当初この腫瘍は、良性のものです。一般的には発生してから10数年という年月を経て、細胞レベルでの癌化が起こってくることが知られています。この時点では細胞レベルでの癌化のため、超音波やCTなどの画像診断で、癌化していることをはっきり診断することは困難です。細胞レベルの癌化が起こってからも、すぐに進行するわけではなく、数年の年月を経て、浸潤癌といういわゆる悪さをする癌に性質を変えていきます。IPMNから癌化した膵臓の癌は、一般の方がイメージする膵臓癌(のう胞は作らず「通常型膵癌」と言って区別しています)とは違って、進行具合もゆっくりで、適切な時期に手術を行えば完全に治すことが十分可能な癌です。IPMNも浸潤癌に変化すると画像診断は可能になりますが、その時点での治療になると、手術で切除しても若干治らない人が出てきてしまいます。細かいことをお話しすると、IPMNには主膵管型と分枝膵管型、その二つが混在している混合型と3つのタイプがあり、それぞれ悪性になりやすさが異なります。あともう一つの問題点は、IPMNがある人は、通常型膵癌の併存率も高い点にあります。

IPMNの癌化

どのように診断するか?

IPMNは癌化が起こったとしても症状は一般的にはありません。ただIPMNから作られる粘液が膵液の流れを悪くして膵炎を起こしてくることがあり、それが発見のきっかけになることはあります。たいていは検診や他の病気でCT等の検査をしたときに、たまたま見つかることが多いです。まずは超音波や造影CT、MRIなどで診断しますが、癌化が疑われる場合、超音波内視鏡や内視鏡的な膵管造影で精密検査を行うことがあります。

治療はどうするか?

IPMNと診断されたからと言って、すぐに手術などの治療をしなければならないわけではありません。まだ癌化していないと考えられるレベルの病変に関しては、半年~1年ごとに、超音波やMRIなどの検査をしていき、大きさやのう胞の内部の状態を見ながら、変化がみられるようなら、さらに精密検査を行います。この際は通常型膵癌が併存していないかも同時に経過観察をしていきます。癌化が起こっている患者さんや癌化が起こっているだろうと強く推測される患者さんは、手術で病変を摘出します。現時点では、手術以外の方法で完治させることはできませんが、適切な時期に手術を行えば、十分完治することができる病気です。また現時点で癌化しないための予防方法や予防薬は知られていません。

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