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けんこう家族 第129号【3】

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糖尿病食事指導における管理栄養士の役割

内分泌・代謝内科主任医長 勝田 秀紀

内分泌・代謝内科主任医長
栄養管理室 室長
勝田 秀紀


2016年の国民健康・栄養調査では、糖尿病有病者と糖尿病予備軍は、いずれも約1000万人と推計され、今後も大きな社会問題になることが予想されます。糖尿病はインスリンの相対的作用不足および、または絶対的な量的欠乏により高血糖が持続し、神経障害、網膜症、腎症といった古典的な糖尿病合併症のみならず、動脈硬化性疾患に起因した虚血性心疾患、脳梗塞などの発症リスクを増加させます。また最近では認知症との関連も示唆され、高齢化社会を迎える日本においては大変重要な病気です。そして、これらの糖尿病合併症を予防するためには、糖尿病発病早期からの良好な血糖コントロールが重要ですが、その治療の最も基本となるのは食事療法です。糖尿病における食事療法は病気の状態を是正し、生涯にわたって継続できることが重要です。そのためには個々の生活習慣病や食の嗜好性に応じた柔軟な対応が必要です。食事指導は糖尿病がわかった早い時期にはじめ、その回数を増やしていくことで、より効果的な血糖値の改善効果がもたらされることが知られています。また管理栄養士が行う包括的な食事指導は血糖コントロールの改善に有効です。したがって、糖尿病の食事療法の実践には、早くから指導技術の優れた管理栄養士がかかわることがよいとされています。実際に食事指導が有効となる要因を分析しますと、やはり糖尿病と診断されてからの期間が短いほうがより有効的であるとの報告もあります。では、経過が長くなり、さまざまな治療を施され、糖尿病合併症が進行した患者さんについてはどうでしょうか。実は糖尿病合併症が進行した方々の場合の治療は必ずしも血糖値だけにこだわるものではありません。そこに合併する高血圧や高コレステロール血症のコントロールに重点を置く場合があるからです。その場合も管理栄養士の指導によって食事摂取量を適正化し、栄養バランスを考えた食事が重要になります。個々の患者さんの治療の目標を評価しつつ、医師や看護師、管理栄養士、薬剤師、運動療法士らが緊密な連携を保ちながら一人の患者さんを包括的に診療していくスタイル、チーム医療が今後ますます重要になってきます。当院においても栄養相談外来や療養指導外来と密な連絡を取りながら糖尿病患者さんの診療にあたっています。

糖尿病医療チームによる診療

糖尿病医療チームによる診療

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