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けんこう家族 第138号【6】

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ネコ先生の『神楽坂通信』Vol.7

光井 洋

消化器内科 部長
光井 洋


皆様こんにちは。体調はいかがでしょうか。今回は便秘についてのお話です。

内科学会では、便秘とは「3日以上排便がないか、排便はあっても残便感がある状態」と定義されています。要するにすっきり出ない状態ですね。

その原因は、大腸に形の異常がある場合と大腸の動きが悪い場合に大きく分けられます。前者には、大腸がんや大腸炎があり、これは内視鏡検査などによって診断されます。血便や腹痛・発熱、便潜血陽性などの変化があれば、是非消化器内科を受診してください。一方、最も多い慢性の便秘は後者の「動きが悪い」ことによるもので、ここからはその対処法になります。

第一には排便習慣を整えることがあげられます。朝起きたら、まず水分を取って便器に腰掛けます。朝は腸が動きやすいのでここが排便のチャンスです。排便の時には、前かがみの姿勢を取ると直腸がまっすぐな形に近づき、腹筋にも力が入りやすくなります。また朝食後も、胃が動くことによって大腸も反射的に動くため、排便するチャンスになります。腸の動きは自律神経に支配されており、過度のストレスは交感神経が緊張して便秘に傾きます。自律神経の調節のためには、十分な睡眠と規則正しい3食の摂取が望まれます。あと、便意が起きたら必ずトイレに座ることが必要です。便意を我慢する習慣は便秘の原因になります。

食事の内容については、食物繊維を十分に取ることで、便に水分が取り込まれ、柔らかくなって出やすくなります。食物繊維は、豆類、野菜、きのこ、海藻、果物に多く含まれます。ヨーグルトも腸内細菌を整える効果があります。また、水分を多く摂取することも重要で、可能なら1日1.5L以上飲むと良いとされます。それにより便が柔らかくなります。

運動習慣も大事なポイントです。運動をした後の休息で、自律神経が副交感神経主体になると腸が動くようになります。軽度の運動(有酸素運動)を持続することによっても同様の状態が起こります。また、腹筋を鍛えることで、排便をする際に出やすくなります。私も朝はルーチンで腹筋と散歩をするようにしています。

以上のことを行っても、すっきり出ないようであれば、薬を使うことを考えます。幸い、最近になり新しい便秘薬(下剤)が使えるようになってきました。下剤は大きく分けると、便に水を含ませて柔らかくするものと、腸を刺激するものになります。前者の代表が酸化マグネシウムで、ここに糖類下剤(ラクツロース)やポリエチレングリコールが加わりました。また、後者の刺激性下剤には、センノシドやアロエなどがあり、効果は強いですが、だんだん効きにくくなると言われています。これら以外にも、全く新しいメカニズムで腸から水分を出す薬などが使えるようになり、漢方薬も体質に合えば効果があります。外来でご相談ください。

自主規制

最後に、忘れてはいけないのは、薬剤性の便秘です。元々お持ちの病気に対して、新しい薬が始まった後に便秘になった場合は、その薬の影響はないかを主治医に確認してください。

以上、便秘についてのお話でした。皆様のお通じがこれからも快適であることを祈ります。


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