皆さんは、食事中などに“むせ“たり飲み込みにくさを経験したことはありませんか。
飲んだり食べたりする時の口の動きや舌の動き、飲み込む時の喉の感覚をイメージしてみてください。筋肉と関節と神経の絶妙な連携運動によって、私たちは食べる楽しみと共に必要な栄養を体に摂り入れています。こうした口から食べたり飲んだりすることを「摂食嚥下」と呼んでいます。
摂食嚥下機能の低下や障害は、病気やその治療のためのお薬・手術・放射線療法などの影響でみられることがあります。でも、実は加齢による筋力の低下によっても起こりやすいのです。摂食嚥下機能が低下すると誤嚥しやすくなり、場合によっては誤嚥性肺炎を引き起こします。
誤嚥性肺炎の予防のためには、①口腔ケアで口腔内細菌を減らす②体力・免疫力を保つために栄養を摂る③噛む力・飲み込む力・しっかり咳払いする力を維持する、などが大切だといわれています。
食べる力を保つためには、総合的なケアが必要です。当院では、患者さん・ご家族の「食べたい」思いを支えるために、医師や歯科医師、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、管理栄養士などが協力・連携しながら対応させていただいております。入院中のお食事は、患者さんの噛む力や飲み込む力に合った嚥下調整食を選び、ご提供しています。