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けんこう家族 第148号【5】

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ネコ先生の『神楽坂通信』Vol.17

光井 洋

院長補佐兼消化器内科 部長
光井 洋


皆様こんにちは。ようやく暖かい季節になってきました。今回は「肥満」についてのお話です。まず定義ですが、身長と体重から体格指数(BMI)を計算し、25以上が肥満、35以上が高度肥満になります。BMIは体重(kg)÷身長(m)2ですので計算機でご自分の値を出してみてください。肥満があって色々な病気を伴っている場合を「肥満症」と呼び、医学的に問題があり治療が必要な状態です。

肥満に伴うものとして11の疾患が知られており、それらは糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症、冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳梗塞、脂肪肝、腎疾患、月経異常、睡眠時無呼吸症候群、整形外科疾患です。肥満を治療することでこれらの合併症の改善が見込まれるわけです。治療は体重を落とすこと(減量)です。

では、減量のためにはどういう対処法があるのでしょうか。長い間にわたって、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってきた結果、肥満になっているわけですから、「食事療法」で前者を減らし、「運動療法」で後者を増やすということが治療になります。まず食事療法については、今までの食生活を改める決意が必要です。炭水化物(ごはん、パン)を減らし、高脂肪食(脂っこい料理)を控えて、野菜類・蛋白質を増やして総カロリーを減らす工夫をして下さい。間食が多い方は、それを控えましょう。ゆっくりと食事をすることも重要で、早食いだと満腹だと感じる前に摂取量が増えてしまいます。また、残さず食べるように教育されていると抵抗があるかもしれませんが、肥満がある場合は積極的に食事を残しましょう。次に運動はまさに個人のできることを日々行うことです。ウォーキング、ジョギング、ストレッチ、テレビ体操、など自分で無理なくできることをなるべく毎日続けることが大事です。最近、座っている時間を減らすことが健康に良いことがわかってきたので、こまめに立ち上がって動くようにしましょう。そして、体重を毎日同じ条件で測って記録することも重要です。

食事療法と運動療法を続けるためにはモチベーションと目標が必要です。減量することによって血圧が下がる、糖尿病の薬が減る、腹囲が減って見た目が変わる、などの効果をイメージしましょう。また、減量目標は3-6か月で現体重の3%とされていますので、70kgであれば2.1kg減になります。無理のない計画を立てて実行して下さい。

自分のライフスタイルを見つめ直し、行動パターンを変えるいわゆる「行動療法」の効果も注目されています。食行動質問表のチェック、体重や生活のグラフ化、などにより生活リズムの改善を目指すものです。スマートフォンの健康関連アプリも活用してください。

BMI=体重(kg)÷身長(m)2

高度肥満があり、以上の食事・運動・行動療法などを6か月行っても効果がみられない場合は、薬物治療や手術療法の適応になります。薬物としては、糖尿病の患者に使用されるGLP-1受容体作動薬(セマグルチドなど)や高度肥満症に使える食欲抑制薬(マジンドール)があります。手術としては、胃を縫い縮めるものや小腸を繋ぎ変えて吸収を抑えるものがあります。これらの治療は各々、内分泌代謝内科と外科が専門科になります。

もし肥満症でお困りのことがありましたら、まずおかかりの各内科の外来でご相談ください。皆様の体重管理がうまくいきますように願っています。


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