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けんこう家族 第150号【2】

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当院のがん診療

院長補佐兼消化器内科 部長
光井 洋


皆様こんにちは。いつも「神楽坂通信」をお読みいただき有難うございます。今回はネコ先生ではなく、がん診療委員会の長として当院のがん診療についてお話したいと思います。

がん化というのは、正常な細胞の遺伝子に変化が起きて、増殖する力が強くてブレーキが利かない状態になることです。年齢が上がるにつれ、この遺伝子の変化が起きる確率も高まり、それを治す酵素の働きが弱まり、がん細胞を見張っている免疫機能も低下すると考えられます。その結果、がん細胞がたくさん増えたり、体中に散らばったりすると通常の体の働きが低下します。日本人の平均寿命が延びていくことにより、がん患者さんの数も増え、今後さらにがん診療が重要になってくることは間違いありません。

当院は本年の4月より東京都がん診療連携拠点病院に選ばれました。これは当院ががん診療について十分な体制が整っている病院であることを都が認定したことを示します。

連携拠点病院として必要とされる項目には、がん患者登録数、がん手術件数、緩和ケア患者数などが一定数に達することやがん診療の計画会議(キャンサーボード)がしっかりと行われていることなどがあります。これらの状況を年数回、東京都に報告することになっています。

当院のがん診療の特徴は、診断から治療、そして緩和ケアまで切れ目なく医療を提供できることだと考えています。具体的には、まず人間ドックにおけるがん疑い所見の拾い上げ、次に各診療科における正確ながんの診断、そして患者さんの状態に応じた最も適切な治療法の提案と実践、そしてがん診断の初期から終末期までかかわる緩和医療の提供、があげられます。ドックでは腫瘍マーカーや膵臓MRIなどのオプション検査も充実しており、二次検査が必要な場合、当院の各科外来に速やかに紹介します。各科では放射線検査や各種内視鏡検査、組織病理検査などを行い、がんの診断やステージを正しく診断します。治療については各科の症例検討会や多職種が集まった前述のキャンサーボードで話し合い、患者さん個々に最適な治療を考えます。外科治療は別稿で書かれますが、内科の治療としては、消化管の早期がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術や肝臓がんに対するラジオ波焼灼療法、肝動脈カテーテル塞栓治療などがあげられます。腫瘍ゼロ(根治)が難しい進行したステージの場合、抗がん剤治療や放射線治療が行われます。抗がん剤は以前よりも副作用対策がしっかりしてきており、当院では化学療法センターでの外来治療や入院での治療にも対応しています。緩和ケア科の存在も当院の特徴の一つです。がんに伴う痛みの対策を中心に、がん患者さんの精神的ケアも精神科医と共同で行います。緩和ケア病棟では終末期における医療を、多職種の協力の元に最高の形で提供するように努めています。

以上、当院のがん診療はすべてのがんの段階に対応しており、各専門科の医師・看護師、放射線科、薬剤部、栄養科、リハビリテーション科、検査科、事務部門他、病院全体が多職種一丸となって取り組んでいます。これからもがん患者さんに寄り添った診療を行っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。


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