心因(心に大きな影響を及ぼす事件や環境等)や、性格とのかねあいで、了解可能な精神の不調は、神経症と呼ばれてきました。狭義の精神病には入れない場合も多いので、題に『』をつけたのも、そのためです。
近年では、神経症を分解してしまい、細分された症状をそのままあるいは組み合わせて診断名にしたようなものが、アメリカの影響で流行っています。不安障害、解離性障害等です。こういうふうな考え方で診断名を増やしていくと診断名がどんどん増えていくことにもなります。最近、精神障害の診断名が異様に増えているのは、こうした流れの影響もあります。
神経症は精神病ではないから大したことはない・・・とは、本人としてはなかなかいきません。むしろ、精神病のように、苦しみを感じる力が鈍化しないことから、本人が感じる苦痛は精神病以上ということもあるかもしれません。
内因性精神病と同じく、本人の話を主に、場合によっては家族等からの話も参考に診断しますが、外因性を否定するために検査を行うこともあります。
なるべく健康的環境への生活環境改善は、他の精神病の治療と同じく、大前提です。心因・環境因が大きい場合は、可能であればそれをなるべく低減させることを試みる場合があります。
対症的に、少量の抗精神病薬や抗うつ薬を使用する場合もあります。