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ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第118号【2】
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けんこう家族 第118号【2】

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糖尿病診療の今日的課題

内科部長 川村 光信

内科部長
川村 光信

日本の糖尿病患者は950万人にのぼり、まだ増加し続けています。そのうち、未治療者は3割もおり、今後、益々大きな社会問題になると思われます。

糖尿病はインスリンの相対的作用不足および/または絶対的な量的欠乏により高血糖が持続し、様々な合併症を生じる病態です。合併症予防には発病初期からの良好な血糖管理が重要です。

糖尿病合併症の代表的なものには、表1に示すような慢性および急性のものがあります。合併症予防のためには、血糖コントロールだけではなく、高血圧や脂質異常症のような併発しやすい病態も包括的に管理することが必要です。

糖尿病治療薬として、ここ数年、新規薬物が次々と発売されています(図1)。しかし、治療の根幹は、あくまでも食事と運動という生活習慣の改善です。多くの薬物が開発された今日にあっても生活習慣の改善なくして糖尿病治療は成り立たちません。

図1 糖尿病の薬物療法
図1 糖尿病の薬物療法

現代日本の糖尿病診療における最大の課題は、糖尿病患者の肥満化と高齢化です。

昨今、和食ブームですが、これまでの数十年に亘る高カロリー・高脂肪食と自動車の保有台数増加に反映される運動不足という生活スタイルの欧米化により、我が国の肥満者数は増加しています。糖尿病患者も数の増加だけでなく、患者の肥満化により、血糖管理が大変難しくなっています。というのは、肥満化により、インスリンが効きにくくなるからです(インスリン抵抗性)。近年、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬など肥満型糖尿病に有用な薬物も登場しています(図1)。しかし、糖尿病薬の多くはインスリン作用を介しており、食事や運動という生活改善がなされなければ、次第に薬効が落ちたり、逆に効きすぎて低血糖を起こし事故に繋がったりします。よって、血糖管理、合併症予防のためには、できる限りの適正体重の維持が欠かせません。

また、さらに大きな問題は、糖尿病患者の高齢化です。日常的な運動習慣がなければ、糖尿病を有する高齢者は、健常者に比べ内臓脂肪の蓄積や筋肉量の減少をきたしやすいのです(サルコペニア)。そして筋力のみならず心身の活力低下を生じ(フレイル)、血糖管理も甘くなりがちです。心身の活力低下は他者との交流減少をきたし、認知症などの早期発症に繋がります。糖尿病があっても、健常人と変わらない健康寿命を得るためには、発病当初からの生活習慣改善が必須といえます。

表1
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