「乳腺センター」は、乳がんを中心に良性疾患や男性の診察も行っています。乳がんの疑いがある患者さんは、初診の当日にマンモグラフィ、超音波検査を経て針生検まで行います。乳がん治療は、手術や放射線治療の局所療法と全身薬物療法の組合わせで進めます。針生検によって診断と同時にがんの性質(ホルモン感受性やHER2蛋白、増殖速度など)を調べ、最も効果的な治療法を選択します。全身療法を先行し効果を確認してから手術を行う術前療法を選択する場合もあります。また乳房切除術の場合、人工物(インプラント)や自家組織(筋肉や脂肪)による乳房再建手術も選択できます。最適な治療を形成外科・放射線治療医とともにチームを組んで進めます。また、抗がん剤治療は外来化学療法センターと情報を共有しながら治療が受けられるよう体制を整えています。
当科では、肺・縦隔の腫瘍性疾患(肺癌など)、気腫性肺疾患(自然気胸など)を中心に診断・治療を行っています。悪性腫瘍では手術だけでなく抗癌剤治療・放射線治療などを含めた集学的治療を行い、緩和治療も行っています。年間の手術件数は、最近5年間は年平均で約190例を行い、85%以上の症例を胸腔鏡で行っています。肺癌に対してはI期症例を中心に完全胸腔鏡下手術(最も大きなキズが5cm前後)を行っており、自然気胸の可能な症例に対しては、当科で考案した2cm位のキズ1か所だけで行う1port法を行っています。どの疾患についても、患者さん個々に最も適した治療法を検討して行っています。
脳神経外科は、頭部・脳や脊椎・脊髄に関係する手術を主な目的とした診療科です。扱う病気は脳血管障害(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞など)、脳腫瘍(良性・悪性)、脳や脊髄の生まれつきの異常などがあります。さまざまな頭のケガも脳神経外科で診療します。ただ、こういった病気であるかどうかは、初めから判るものではありません。特に、言葉の不自由、手足の動かしづらさ、歩きづらさ、目の見え方の異常、ひきつけの発作がありましたら、どうか早めに脳神経外科を受診してください。頭痛やめまいは脳の病気の症状とは限りませんが、CTやMRIを撮影して診断しますので、気軽に受診してください。紹介状や予約がなくても拝見いたします。
整形外科は首から足の指まで、体のいろいろな部分の病気を扱います。当科では、整形外科の主な分野について経験ある医師が専門外来の形で診療を行っています。
婦人科診療は、秦前部長(がん治療認定医、婦人科腫瘍指導医、腫瘍専門医、日本産科婦人科学会専門医)が、平成30年3月31日で定年退職され、常勤医が不在となりましたが、秦医師が嘱託医として引き続き週3回診療して頂けることとなりました。そのため現在の診療の質を大幅に落とさずに継続できるものと思われます。子宮筋腫、卵巣嚢腫、性器脱等の良性疾患ではクリティカルパスが導入され、包括医療を行っております。悪性腫瘍は初期子宮頸がんや高度異形成上皮(前癌病変)には高周波電気メスを用いた子宮温存治療、初期子宮体がんは手術療法に加えホルモン療法による子宮温存治療、卵巣がんには手術から、術前、術後の化学療法に至るまで一環した治療を行っております。