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ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第131号【5】
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けんこう家族 第131号【5】

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ネコ先生の『神楽坂通信』Vol.1

光井 洋

消化器内科 部長
光井 洋


皆さまこんにちは。東京逓信病院 消化器内科部長の光井(通称ネコ先生)と申します。今号からこの欄を担当することになりました。医学に関する疑問・面白い話・雑学などを取り上げていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

最初の回の話題は、サプリメントです。皆さまはサプリメントをお使いですか?ここでいうサプリメントとは、医師が処方する薬以外のもので、何らかの健康増進目的に摂取するいわゆる健康食品のことです。ノコギリヤシとかヒアルロン酸とかですね。皆さまがお使いのサプリメントの効果はいかがでしょうか。

私の考えでは、サプリメントのほとんどは客観的には効果が期待できないものです。ある薬の医学的な効果を証明するためには、どうすればいいでしょうか?そのためには、病気の患者さん達を条件が同じような二つのグループに分けて、その薬を飲むグループと飲まないグループで、効果に差がつくことを示さなければなりません。大概のサプリメントの新聞広告では、Aさんがそれを飲んだら症状が軽くなったという1例の報告をしているに過ぎません。これでは効果の証明には全くなりません。私はひねくれた性格のためでしょうか、そういう広告を見ると、やはりこのサプリメントは効かないのかな、この写真が出ている人は本当に飲んだのかな、などと想像する悪い癖があります。

また、皆さまがサプリメントを好まれる理由の一つが、副作用が少ないという印象ではないかと思います。医師が処方する薬は副作用が強い、だから副作用の少ないサプリメントを使うというわけです。残念ながらそうとは限りません。サプリメントでも副作用はある確率で起こります。ある統計では、サプリメント系の薬で、薬物性肝障害の副作用が最も多かったのは、実はウコン含有製品だった、という笑えない話もあります。ウコンの有効主成分はクルクミンと言われますが、サプリメントにはそれ以外の物質も含まれています。何らかの成分に対するその人独自のアレルギー反応として肝障害が起きるものと考えられます。

さらに、サプリメントの値段は結構します。月に数千円~数万円くらいかかるのではないでしょうか。医師の処方する薬は、保険で使える範囲ではもっと安いかもしれません。

ねこ先生

以上から、サプリメントを服用する時は、以下の点に注意することをお勧めします。広告では、その薬効がきちんとグラフなどで示されているか。手ごろな値段かどうか。服用してみて体調不良(皮疹、熱、倦怠感など)にならないか。そして、最も大事なことは、1-2ヶ月飲んで効果が実感できるかどうか?痛みが減った、夜間の尿の回数が少なくなった、などの症状を服用の前と後で比べてみてください。効果がないものを漫然と続けるのはいかがなものでしょうか。

皆さまの健康増進をお祈りいたします。

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