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けんこう家族 第142号【3】

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アトピー性皮膚炎の治療について

林 剛生

皮膚科
林 剛生


はじめに

アトピー性皮膚炎は、明らかなきっかけがないのに、かゆい湿疹を繰り返してしまう病気です。アトピー素因と言われる体質や、皮膚のバリア機能の異常などが原因として考えられています。アトピー性皮膚炎を「完治」させる治療法はまだありませんが、近年、塗り薬や飲み薬、注射薬など治療の選択肢は増え、湿疹が目立たない「寛解状態」にできることが増えました。ここでは、その治療の一部を紹介いたします。

塗り薬

アトピー性皮膚炎の治療法が増えたとはいえ、ステロイド外用薬が治療の基本となります。

ステロイド外用薬については「こわい」イメージをもっている方もいらっしゃると思いますが、外用薬では全身的な副作用がでることは非常にまれです。アトピー性皮膚炎の治療では、まずステロイド外用薬をつかって皮膚の炎症をしっかりおさえることがとても大切です。塗る量も大切で、少ない量で塗っていては効果がでません。不適切にステロイド外用薬を使い続けると、皮膚がうすくなったり、血管が増えた赤い皮膚になったりといった副作用がでることがありますので、皮膚の状態にあわせて、ステロイド外用薬を調整していきます。

上記のような長期外用による副作用が少ないのが、タクロリムス軟膏です。ひりひりする感じがでることがありますが、慣れて気にならなくなる場合も多くあります。近年使用できるようになったデルコシチニブ軟膏は、長期外用による副作用が少なく、ひりひりする感じもでにくい外用薬です。

皮膚の状態にあわせて、これらの塗り薬を使いわけていきます。

当院では、医療スタッフとともに外用する薬の種類や量を学んでいただく「アトピー教育入院」も行っています。

飲み薬

塗り薬で効果が不十分な場合、「免疫抑制薬」という飲み薬が治療の選択肢になります。ばい菌やウイルスと戦うための免疫を抑える薬なので、感染症に注意が必要です。シクロスポリン、効果が高いのですが、長期使用により腎臓に負担がかかってしまうという問題点があります。近年使用できるようになったバリシチニブは、腎臓への負担は比較的少なく、長期使用できる薬です。

注射薬

塗り薬で効果が不十分な場合、「生物学的製剤」という注射薬も治療の選択肢になります。現在使用できるのはデュピルマブという薬だけですが、今後新たな薬が開発されることが期待されています。デュピルマブは安全性の高い薬で効果も高いのですが、費用が高いのが問題点です。デュピルマブの注射は2週間に1回で、おなかなどの皮膚の下に注射します。患者さん自身で注射することができるため、通院自体は1-3か月に1回ですみます。

最後に

簡単にアトピー性皮膚炎の治療について紹介いたしました。
当院では、このほかに光線療法も行っており、各々の患者さんにあわせた治療を御提案いたします。アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、お気軽に御相談ください。


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