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けんこう家族 第109号【5】

| 目次 |

鼻閉(鼻づまり)について

耳鼻咽喉科部長 八木 昌人

耳鼻咽喉科部長
八木 昌人

1.鼻呼吸の重要性

 鼻の役割とはどのようなものでしょうか。単に呼吸のための空気の通り道であるとすれば口でも代用できるかもしれません。しかし、鼻は鼻でなくてはできない機能がいろいろあります。いくつか例をあげると、空気中の有害な物質が肺に吸い込まれないようにするフィルターのような作用、吸った空気に適度な湿気をあたえ気道の粘膜を保護する作用、そして、嗅覚などです。このように鼻は呼吸という人間が生きていくうえで最も基本的な生理機能の中で非常に重要は役割をもっているのです。つまり、鼻で呼吸をすることが呼吸の基本であり、正常な鼻呼吸が保たれることが、呼吸そのものを正常に維持し、人間がよりよい環境で生活していくために重要になってくるわけです。

2.鼻づまり(鼻閉)の原因

 このように重要な機能持っている鼻呼吸が障害されるとどのようなことになるのでしょうか。鼻呼吸の障害の原因として最も多いのが鼻づまり(医学的には鼻閉、びへい)です。鼻づまりが生じると必然的に口呼吸になります。口呼吸になれば先に述べたような鼻呼吸の機能は失われます。ただ、口呼吸による弊害はそれだけではありません。小児であれば顎の骨の発達や歯並びに悪影響を与えます。また口呼吸は口の中を乾燥させるため、感染がおこりすく、口臭の原因にもなります。加えて、鼻づまりと口呼吸が睡眠時の無呼吸やいびきの原因となることも最近言われています。  このように、鼻で呼吸するということはなにげないようでいてすごく重要なことなのです。それでは、鼻づまりはどのような状態で生じるのでしょうか。今回はかぜをひいたときなどに生じる急性の鼻づまりについては別の機会に譲り、長期間続く慢性の鼻づまりについて説明します。まず、鼻の中の構造からいきます。  鼻腔(鼻の穴の奥)は軟骨と骨からなる鼻中隔(鼻の真ん中のしきり)で左右に分かれており、中鼻甲介、下鼻甲介などの正常な部分の張り出しがあります。通常、鼻は左右交互につまっていることが多く、nasal cycleとよばれています。あるときは右の鼻がつまって左鼻が通っていたのが、何時間か後には逆になっている、「つまり片方の鼻の通りが悪い」、これはかなりの人が経験されていると思います。ただ、ほとんどの人は鼻呼吸に問題はありません。つまり、鼻づまりはnasal cycleにさらになんらかの要因が加わることにより生じるわけです。その要因としては、鼻中隔が極端に左右どちらかに曲がっていたり、(鼻中隔弯曲症)、下鼻甲介が肥大している場合(アレルギーや代償性肥大など)、慢性副鼻腔炎で鼻の中に鼻茸(ポリープ)が充満している場合などが挙げられます。

  • (1)鼻中隔弯曲症とは?
     鼻中隔が顔面の骨の成長の過程で骨と軟骨にゆがみが生じて弯曲すると考えられています。極端に曲がりが大きい場合には鼻づまりの原因となります。ただし、この弯曲はあくまでも鼻の中のしきりの曲がりであって、鼻筋の曲がりは別のものです。
    下から見た図(図1)
     真ん中の白い部分の骨(鼻中隔)がこの図では大きく左(右の鼻腔側)に弯曲していることがわかります。
    前から見た図(図2)
     真ん中の骨が右鼻腔側へと弯曲し、鼻腔内が狭くなっています。
  • (2)下鼻甲介代償性肥大とは?
     アレルギー性鼻炎や慢性鼻、副鼻腔炎などの、持続する炎症に伴い下鼻甲介が腫れた状態をいいます。極端に大きい場合には空気の通り道をふさぐことになり鼻づまりの原因となります。

3.鼻閉に対する治療

 まずは、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎といった鼻づまりの原因となっている病気に対して、抗生物質、抗アレルギー薬の内服や、噴霧薬など薬による治療で症状の改善を目指します。それでも鼻づまりの改善が不十分な場合に手術で改善を図ります。今回は副鼻腔炎による鼻づまりの治療の詳細は別の機会に譲り、鼻中隔弯曲、アレルギー性鼻炎が原因の鼻づまりと治療について述べます。  まず、アレルギー症状が主症状の方にはレーザー治療を選択することがあります。レーザー治療は腫れた下鼻甲介粘膜をレーザーで焼いて、下鼻甲介の収縮を図る治療です。入院の必要はありませんが、毎年治療している人がいるように効果が1-2年と短いことと、重症の人や、鼻中隔弯曲の強い人では効果が不十分です。そのため、鼻中隔弯曲の強い人や下鼻甲介の腫れの強い人では入院のうえ手術を行います。
 手術では曲がった軟骨や骨を切除し(鼻中隔矯正術)、腫れた下鼻甲介を削ることで鼻の通りを良くします(下鼻甲介切除術)。

4.当院での入院、手術について

 当院で鼻づまりの手術を行う場合、約1週間の入院となります。
 手術前日に入院していただき、翌日に全身麻酔で手術を行います。(寝ている間に手術は終わります。)手術時間は病変に応じて1時間程度になります。手術後は3時間程度で歩行をしていただき、当日の夕食より食事を再開いたします。その後鎮痛剤等を用いて経過観察をしていきながら、術後3-5日程度で鼻の中に挿入したガーゼや板をとり、問題なければ退院となります。そして、退院後は傷の観察のため数回は通院していただきます。
 当院では年間約50例の鼻づまりの手術を行っております。最新の器械を用いて、鼻の穴の中から内視鏡で手術を行います。以前より行われている鼻中隔矯正術と異なり、なるべく軟骨や骨の露出を少なくしながら鼻中隔の矯正を行い、合併症がおこりにくくするとともに、手術後も痛みの軽減をめざし、ガーゼによる圧迫は最小限にし、なるべく短期の入院期間を目指しております。


真ん中の白い部分の骨(鼻中隔)がこの図では大きく左(右の鼻腔側)に弯曲していることがわかります。
真ん中の骨が右鼻腔側へと弯曲し、鼻腔内が狭くなっています。

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