我が国は年々、高齢化社会に向かって突き進んでいます。平成24年10月1日現在、人口の24.1%を65歳以上の高齢者が占める社会となってきています。この比率は年々増加傾向にあります。人口に対して、高齢者が占める割合が増加すれば、医療費も増加することが想像できます。平成24年度の国民医療費は39.2兆円に達し、前年度比1.6%増加しています。若い世代の負担を少しでも少なくするために、医療費の軽減が叫ばれています。
その一つの大きな柱が後発医薬品の使用です。後発医薬品とは、先発医薬品の特許が切れ、先発医薬品と同等であると厚労省が認可して発売された医薬品です。先発医薬品と添加剤まですべてが同一の薬品もあれば、添加剤など一部が異なる薬品もあります。後発医薬品の利点として薬の価格が安いこと、欠点として名前等が異なることが挙げられます。後発医薬品でも先発品と比較して苦みを抑え、服用しやすくした製品、刺激を抑えた点鼻剤あるいは容器を改良して一回の使い切りでないにもかかわらず防腐剤無添加の点眼液等が市販されています。一方、有効成分は同一ですが、後発医薬品は効き目が遅い、シップ剤の貼り心地が悪いなどの声も耳にします。
当院では、厚労省の指導により、外来の院外処方せんにおいて、一部一般名での処方を行っております。一般名で記載された院外処方せんを保険薬局に提出した場合、一般名処方の医薬品を、先発あるいは後発医薬品のどちらを患者さんが希望されるかを確認されます。先発医薬品を服用されていて、後発医薬品に変更することも可能ですし、後発医薬品に変更後また先発医薬品に戻すことも可能です。患者さんが安心してお薬を服用していただけることが大切と考えています。患者さんにとって、よりよく後発医薬品が服用されることを希望しております。