がんと診断されたその日から精神的肉体的苦痛に対して提供される医療が緩和医療です。当院では難民を作らないというスローガンを元に、外来ではがん相談支援センターを通じて、一般病棟では緩和ケアチーム、根治的治療が終了してからは緩和ケア病棟にて緩和医療を行っています。当院の緩和ケア病棟では診療科主治医制(ツードクター制)をとっています。この制度は原発巣の臓器専門の主治医と緩和ケア医がともに診療に当たるシステムで、臓器専門性をいかしつつ緩和医療を行う事により、より質の高い緩和医療の提供を目指すものです。近年がん治療終了から亡くなるまでの期間はますます長期化の傾向にあります。緩和ケア病棟から退院され、新たに治療に挑戦したり、在宅に戻ったりと希望のある緩和病棟を目指しています。一人でも多くの患者さんが苦痛を取り除くことにより人間らしい有意義な時間を少しでも長く過ごされることを希望しています。
当科では虫歯、歯周病や義歯など一般歯科診療に加え、開業歯科では対応が困難な疾患を抱える方々には専門医と連携してリスクコントロールを図り、抜歯、小手術など観血処置を伴う治療を行っています。当院の救急医療分野で顎骨骨折、歯の脱臼や破折、軟組織の損傷など口腔顔面外傷や歯性の急性炎症に対しては、口腔外科の対応を行っています。
近年では、がんの手術・放射線・抗がん剤など一連の治療に併行して、口腔衛生や咀嚼、嚥下機能をサポートする「口腔ケア」ががん治療に取り組む方々のQOLの維持向上に重要と認識されており、当院でがん治療を受ける多くの方々に口腔ケアを実施しています。さらに緩和ケア病棟においても誤嚥性肺炎防止を目的に口腔ケアに取り組んでいます。
こうした多様なニーズに円滑に対応するため外来では予約診療を行っています、ご理解ご協力をよろしくお願いします。
救急総合診療科の主な仕事内容は、昼間に救急車で搬送されてくる方の治療です。軽症から重症の方まで多岐にわたる疾患を迅速に診療し、治療を開始します。待ったなしの状況も多く、常に神経を尖らせて診療にあたっています。また、地域の診療所より緊急性が高いと判断され、当院へご紹介頂いた方の救急診療も並行して行っております。 院内活動では外来や検査中に突然具合の悪くなった方がいた場合、応急処置を行う救急センター所属の機動部隊(RRST)を出動させます。その他、職員に対し胸骨圧迫心臓マッサージやAEDの使用方法などの訓練も実施しています。皆様が安心して院内で過ごしていただけるように努めてまいります。
病理診断科では病に侵された臓器や細胞を顕微鏡で観察して診断しています。病理診断には主に①病理組織診断②細胞診③術中迅速診断④剖検診断があり、全身の臓器が対象となります。術中迅速診断は手術中に、腫瘍を切除する範囲やリンパ節切除を行うか等の判断するために行なわれます。生検、手術標本についてはより正確で速い診断を行うべく、臨床各科と情報を共有しています。病理解剖(剖検)は病院が提供する医療の質を検証し、診療の過程で生まれた様々な疑問に答えることによって医療の進歩に貢献しています。東京逓信病院では病理診断に関するご質問に病理専門医が直接お答えする「病理外来」も開設しています。
内視鏡センターでは、上部消化管(食道、胃、十二指腸)や下部消化管(大腸)の内視鏡検査・治療を消化器内科、外科、人間ドックの医師が担当し、日々安全・正確で苦痛のない診療を目指して努力しております。検査の苦痛がご心配な方には鎮静剤注射を用いた検査も安全に監視しながら実施可能で、これまで受けられた多くの方からもご好評です。早期がんの内視鏡治療や、胆管結石の診断・治療内視鏡(ERCP)などは入院下で、複数の医師と看護師からなるチームでベストな診療を提供いたします。センター内は明るく比較的広いスペースが確保されており、音楽の流れるリラックスできる環境となっております。皆様のご利用をお待ちしております。