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急性アルコール中毒

春が近づくと、お花見や歓迎会などお酒を飲む機会が増えてきます。「百薬の長」と言われていたお酒ですが、最近では少量でも健康に悪影響を及ぼすというデータが主流になってきました。飲み方を一歩間違えれば、アルコールは脳と内臓をダイレクトに攻撃する「毒」に変わります。特に、短時間で大量に飲む「急性アルコール中毒」は、文字通り命に関わる緊急事態です。
その正体と皆さんに守ってほしいルールをまとめましたので、よく読んでご自身の体を守る、楽しいお酒の飲み方を心がけてください。

急性アルコール中毒の正体

急性アルコール中毒とは、短時間に大量のアルコールを摂取することで、血中のアルコール濃度が急激に上昇し、脳の神経細胞がマヒした状態を指します。

通常、アルコールは肝臓で分解されますが、その処理能力には限界があります。処理しきれなかったアルコールが脳に回ると、最初は「陽気な酔っ払い」で済みますが、進行すると呼吸や心拍をつかさどる「生命維持のコントロールセンター」まで止めてしまうのです。

見逃してはいけない「危険信号」

周りの人、あるいはあなた自身が次のような状態になったら、それは「単なる酔い」ではありません。


命を守るための「3つの鉄則」

急性アルコール中毒で運ばれてくる方の多くは、「自分は大丈夫」「みんなも飲んでいるから」という過信や同調圧力の中にいます。しかし、アルコールの分解能力は遺伝や体調に大きく左右されます。隣の人が平気でも、あなたの脳が悲鳴を上げているかもしれないのです。

    1. 「イッキ飲み」は自殺行為と心得よ


      血中濃度を急上昇させる飲み方は、脳への「奇襲攻撃」です。自分のペースを崩さない勇気をもってください。
    2. 空腹で飲むのは、防具なしで戦場に行くようなもの
      胃の中に食べ物がないと、アルコールは猛スピードで吸収されます。タンパク質や脂質を含むおつまみを先に胃に入れておきましょう。
    3. 「寝かせれば治る」は大間違い
      酔いつぶれただけだから寝かせておこう・・・これが一番危険です。意識がないまま放置され、嘔吐による窒息や呼吸停止で命を落とすケースは後を絶ちません。様子がおかしいと思ったら、ためらわずに救急車を呼んでください。

    二日酔いになってしまった時のレスキュー術

    精神論や根性論では二日酔いは治りません。肝臓の処理能力を超えた化学物質(アセトアルデヒド)による汚染を、いかに早く、効率良く解消するかが勝負です。

    二日酔いはなぜこんなに苦しいのか?

    二日酔いの正体は、主に以下の3つの複合的なダメージです。

    1. アセトアルデヒドの蓄積:アルコール分解の過程で出る猛毒。頭痛や吐き気の主犯です。
    2. 脱水と電解質異常:アルコールの利尿作用により、体内の水分と塩分がスカスカの状態
    3. 低血糖状態:肝臓がアルコール分解にかかりきりになり、血糖値を維持する仕事(糖新生)をサボるため、だるさや震えが起きます。

    二日酔いを楽にする科学的3ステップ

    1. 「水」ではなく「経口補水液」か「スポーツ飲料」を飲むべし
      真水だけを飲むと、薄まった血液の濃度を戻そうとして尿が出てしまい、脱水が加速することがあります。
      ポイント:ナトリウムやカリウムを含む飲み物を選びましょう。
      裏技:トマトジュースも優秀です。リコピンがアルコール分解酵素を活性化し、アセトアルデヒドの代謝を早めるという研究結果があります。
    2. 「果糖」と「アミノ酸」で肝臓をブースト
      肝臓という工場をフル稼働させるには、燃料(糖)と補修材(アミノ酸)が必要です。
      果糖(フルクトース):柿やリンゴ、はちみつに多く含まれます。アセトアルデヒドの分解を促進する効果が認められています。
      しじみの味噌汁(オルニチン):ベタですが、科学的にも正解。オルニチンが肝臓の解毒代謝(オルニチンサイクル)を回し、アンモニアなどの毒素排出を助けます。
    3. 薬を賢く使う(ただし、注意点あり)
      漢方薬「五苓散(ごれいさん)」:体内の水分バランスを整えるスペシャリスト。むくみを解消しつつ、脳のむくみによる頭痛も和らげます。飲むタイミングは、寝る前がベストですが、起きてからも効果がはあります。
      胃薬:胃酸過多になっている場合は、H2ブロッカーなどが有効です。
    4. 【重要】これだけは絶対にやめてください【厳禁】

      次に挙げるものは、絶対にしないでください。厳重に注意しておきます。

      1. 解毒鎮痛剤(アセトアミノフェン)の過量服用
        多くの市販薬に含まれますが、アルコールが残っている状態で大量に飲むと、肝臓で有害な物質に変わり重篤な肝障害を引き起こすリスクがあります。頭痛がひどい場合は、イブプロフェンやロキソプロフェンを選び、必ず多めの水で服用してください。
      2. 迎え酒
        これはただの「麻痺」です。脳をアルコールで再度麻痺させて苦痛を感じなくさせているだけで、肝臓へのダメージは2倍どころか数倍に跳ね上がります。

      二日酔いになってしまったら


      「二日酔いの特効薬は、結局のところ時間だ」と言われることもありますが、適切なケアをすればその時間を半分に短縮することは可能です。
      まずは「水分・糖分・ビタミン」を補給し、ぬるめのシャワーで血行を促してください(熱い風呂は心臓に負担がかかるので厳禁です)。
      少しは体が楽になってきましたか?

      お酒と上手に付き合いましょう

      お酒は、人生を豊かにするエッセンスであって、人生を終わらせる道具ではありません。医師が目にするのは、検査室や救急外来で苦しむ姿でなく、街のどこかで「おいしくお酒を飲んでいる姿」であってほしいと願っています。

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