東京逓信病院では、「救急難民をつくらない」を合言葉に、年間5,000件ほどの救急患者さんを受け入れています。より効率的、効果的に診療を行うため、2024年から救急車を1台導入いたしました。
高齢化社会が進む中、救急車の出動件数は増え続けています。
2022年には、コロナと熱中症の影響により東京都の救急搬送件数が1938年の東京消防庁業務開始以来となる82万7,000件を超え、過去最高を記録しました。
そのため、患者さんが救急車を要請してから病院に搬送されるまでの時間が年々延びています。
こうした現状を踏まえ、東京逓信病院では必要な患者さんに適切な医療をスピーディーに提供できるよう、病院救急車を導入しました。
連携医療機関や介護施設の患者さん等、当院で緊急の治療が必要と判断された患者さんがいたら、現地までお迎えに行き当院へ搬送することが可能になります。また、当院から別の病院に転送する場合も、病院救急車を活用できます。
現在、救急車を公道で使用する手続きを進めているところです。2024年度半ばには、当院の救急車が街中を走る姿を見る事が出来るかもしれません。
急な腹痛、発熱、怪我…。日常生活の中で、いつどのような体調不良がやってくるか分かりません。そんな時、救急車を呼んだ方が良いか、それとも自力で病院へ行くか、迷ったら「#7119」(救急安心センター事業)に相談できます。
相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等)からアドバイスを受ける事ができる電話相談窓口です。相談内容から緊急性が高いと判断された場合は、迅速な救急出動につなぎ、緊急性が高くないと判断された場合は、受診可能な医療機関や受診のタイミングをアドバイスしていただけます。
※現在治療中の病気の治療方針や医薬品の使用方法等受けられない相談もあります。
各地域により窓口開設時間等は異なりますが、東京都では24時間・年中無休で「東京消防庁救急相談センター」が対応しています。
専門家に相談することで安心感が得られるだけでなく、本当に救急車が必要な方に適切に救急車を向かわせられる効果もあります。
2022年度に、救急車を呼ぶか迷って相談があったおよそ26万件のうち、緊急性が高いと判断され救急要請となった事案は4万2,600件でした。
東京消防庁ホームページから引用
窓口対応する救急相談医は、東京都医師会との連携により都内の各医療機関から派遣されています。当院も医師を継続的に派遣し本事業に協力しており、「東京消防庁救急相談センター協力医療機関証」の交付を受けています。
救急車の活用や救急相談センター協力医療機関としての活動を通し、東京逓信病院はこれからも地域の救急診療を担う中核医療機関として、職員一丸となって取り組んで参ります。