今年から皮膚科では新しい光線治療を導入しました。エキシマレーザー(XTRAC)という装置で、全国でも大学病院以外ではまだあまり装備されていない新しい機器です。
紫外線の種類
エキシマレーザーは紫外線の装置です。紫外線と聞くとシミやシワの原因になる悪いイメージがあるかと思いますが、実は皮膚病に有効な側面もあります。紫外線(UV)は大きくUVA・UVB・UVCの3つの種類があり、UVAとUVBが主に使われていました。皮膚疾患によく効く波長が308nmと知られていて、最近はNBUVBという有害な波長をカットしたものが主流です。このエキシマレーザーは308nmだけをレーザービームとして出力し、3つの特徴があります。
従来のエキシマライト(VTRAC)の約55万倍の輝度で照射時間も3秒から0.5秒に(1発あたり、500mj/cm2時)。
照射面積が小さいため無駄な照射が無く、余計な波長が無いため紅斑反応や色素沈着が最小限に。
眼の内側や指の間などにも照射できます。
エキシマレーザーとエキシマライトの比較
これだけの特徴があるのに従来の保険診療で治療を受けられます。対象皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症などエキシマライトと同じですが、エキシマレーザーでは特に尋常性白斑(皮膚の色が部分的に白くなってしまう病気)と円形脱毛症(丸い形に毛が抜けてしまう病気)に効果があります。
当科では全身型、局所型、ターゲット型と全ての紫外線治療機器を揃えておりますが今回新たにエキシマレーザーという強力な装置が加わりました。なかなか治らない湿疹、白く色が抜けた皮膚、丸い形の脱毛などありましたら、是非ご相談ください。
STRATA Skin Sciences, Inc.(画像提供:株式会社ジェイメック)