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ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第154号【3】
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けんこう家族 第154号【3】

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口腔から健康を考える

歯科口腔外科 部長
藤原 夕子


口は消化管の入り口として、食物の咀嚼や嚥下、さらには発音やコミュニケーションなど、多岐にわたる機能を有しています。そのために歯が大切であることはいうまでもありませんが、近年では、歯や口の中の状態が全身の健康にも影響を与えることが注目されています。虫歯や歯周病などの口の中の病気が、心血管疾患、糖尿病、呼吸器疾患などの全身の病気と密接に関連しているのです。

虫歯や歯周病は感染症

虫歯と歯周病は口の中の二大疾患ですが、罹患したことがある人も多いのではないでしょうか。虫歯は歯自体が溶けていく病気で、進行すると歯の神経をむしばみ、歯の根の周囲に炎症を引き起こすこともあります。歯周病は、歯自体というよりは周囲の歯肉や歯槽骨で炎症が広がる病気で、進行するにつれて歯肉の出血や腫れ、骨の吸収に伴う歯の動揺などを認めます。虫歯と歯周病の病態は全く異なるものですが、いずれも口の内に常在する細菌が関与している感染症です。

全身的な病気との関わり

虫歯や歯周病の原因菌や炎症の影響は、口の中だけには留まりません。血流を巡り、次のような病気を引き起こすこともあります。

  • 動脈硬化や心臓病、脳卒中
    歯周病の原因菌が血流に入って動脈の内壁に付着することにより、あるいは口の内の慢性的な炎症で産生された炎症性メディエーターなどにより、動脈硬化の進行が促進され、心臓病や脳卒中のリスクが高まることが知られています。歯周病が進行することで、心血管疾患の発症リスクが約2倍になるという疫学調査の報告もあります。
  • 糖尿病
    歯周病が血糖コントロールを悪化させる、逆に糖尿病が歯周病のリスクを高めるという双方向の関係が存在します。従って、歯周病の治療により糖尿病の改善を認めたり、糖尿病のコントロールにより歯周病が良くなったりすることもあります。
  • 呼吸器疾患
    呼吸器疾患との関連としては、口腔内の細菌が肺に到達することで、肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクが増加することが報告されています。

このように、虫歯や歯周病など口の中の状態は全身的な健康状態にも影響を与えるため、口の中を健康に維持することは非常に大切です。

歯科検診の有用性

口の中の健康を維持するためには、適切な歯磨き、健康的な食生活、禁煙、定期的な歯科検診などが推奨されます。歯の痛みを感じてから歯科を受診したり、口の中の不調を自覚しながらも放置したりする人もいますが、歯科検診で早期に問題を発見し適切な治療を行うことが、健康維持にも役立ちます。

東京逓信病院歯科口腔外科では、健康な口腔環境を維持し全身の健康をサポートするため、検診や歯科治療なども行っています。お気軽にご相談ください。


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