食道と胃の境目のことを食道胃接合部といいます。ここを中心として発生した癌を食道胃接合部癌と呼びます。
以前は、食道癌あるいは胃癌として分類され治療されていました(組織型や食道と胃のどちら寄りにあるかなどで治療を決めていた時代もあったり、食道外科を受診した場合、胃外科を受診した場合で異なった治療が行われた時代もありました)。しかし、今は食道胃接合部癌として独立した疾患として扱われています。
そのため、現在では食道外科、胃外科が独立している施設でも同じ治療が受けられるように、全国で取り組みがなされました。
基本的には、内視鏡治療、手術、化学療法、放射線治療、対症療法など、およびその組み合わせにて治療を行います。食道胃接合部癌は胃と食道、両方の性質を持っていたりあるいは全く異なった広がりを示したりすることがあります。そのため、治療はその広がりを十分に検査した上で行っていく必要があります。
また、食道胃接合部癌の組織型し食道の成分(扁平上皮癌)、胃の成分(腺癌)、のどちらをとります。そのため、化学療法は食道癌または胃癌に対するお薬が使われます(胃癌・食道癌それぞれの項目をご参照ください)。
術式については、病変の広がりや位置関係により、食道切除胃管再建、噴門側胃切除、胃全摘などを胸腔鏡・胸腔鏡や開胸・開腹にて行っています。
他の癌種の項目でも述べていますが、当院においては、基本的な治療方針はガイドラインに沿って行っておりますが、個人個人は併存症・体力・年齢など当然違いがあることから、個々にあった治療方針の選択をしていく必要があるため、全てがガイドライン通りというものではありません。
ガイドラインを尊重し、それに沿いつつも個々に適した治療法を選択していくことは、当院の特長です。