食道裂孔ヘルニアは胃の一部が横隔膜より情報に飛び出してしまう病態のことです。逆流性食道炎の原因となります。
滑脱型、傍食道型、混合型と3つのタイプがあります。
食道裂孔ヘルニアは、加齢とともに増加し高齢女性に好発します。
診断は、内視鏡やCT検査などで行います。
治療は、基本的には薬物療法です。プロトンポンプインヒビター、H2ブロッカー、粘膜保護薬などを使います。
薬物療法で効果がない場合、あるいは胃による圧排症状が出る場合には、手術を行います。
腹腔鏡手術(腹部に5mm-10mmの孔を5か所ほどあけて行う手術)で行います。
胃を腹腔内に引き戻し、噴門形成という逆流予防の手術を行い周囲と固定して胃が胸腔内に入り込まないようにする手術です。近年ではメッシュという人工物を留置することにより、食道裂孔ヘルニアの再発が一段と減りました。