胃癌の治療は大きく分けると、以下のようになります。
基本的には、前述した癌の進行度によって治療方針が決まってきます。胃癌治療ガイドラインに標準的な治療方針があります(下記にガイドラインの一部を抜粋します)。ただし、個人個人は併存症・体力・年齢・考え方など、当然違いがあることから個々に合った治療方針を選択していく必要があるため、全てがガイドライン通りというものでもありません。胃癌治療ガイドラインを尊重し、それに沿いつつも個々に適した治療法を選択していく必要があり(個別化治療といいます)、この個別化治療を行っていることが、当院の強い特長になっています。
胃カメラを用いて癌を胃の壁からそぎ取るように切除してくる方法です。
<絶対適応病変>
<適応拡大病変>
<相的適応病変>
年齢や併存症などにより内視鏡治療以外の治療が受けられない場合に、上記以外の病変も考慮はされる。担当医と十分に相談が必要です。
内視鏡治療後の病理診断にて、3cm以下、分化型癌、深達度が粘膜下層500μmまでとなった場合には、上記適応に入らないが以後は経過観察でよい。
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内視鏡治療後の病理診断にて、上記適応内であれば治癒切除・相対治癒切除となり、以後慎重な経過観察となります。
上記適応外あるいはリンパ管の中や血管の中に癌細胞が存在していた場合には手術適応となります。
切除部位から出血することです。手術が終了した後に出血することもあり、その場合には再度内視鏡をして止血することもあります。血管治療や手術を行うこともあります。
剥離をした部位の胃の壁に孔が開くことです。通常は保存的治療といって胃管留置・絶飲食・点滴などによって治療します。孔が大きい場合や腹膜炎を起こした場合には手術となることもあります。
抗生剤による治療を行います。
治療後数か月後に剥離した部位が治る過程で起こることがあります。特に胃の入り口出口に近い病変で起こります。狭窄が起こった場合には何回か内視鏡でバルーン拡張(風船で膨らますこと)を行って治療します。バルーン拡張で通常は改善しますが、どうしても改善しない場合には、ステント留置や手術を行う場合もあります。
当院の内視鏡治療は、熟練した消化器内科医が行っています。
消化器内科と外科の垣根が低いことが当院の強い特長で、初診がどちらの科であっても必ず合同での検討を行い、引継ぎもとてもスムーズですので、必要な治療を必要な科で受けることができます。