音声障害の原因が喉頭癌である場合もあります。喉頭白斑症と同様にタバコを吸う男性に多い病気です。
喉頭癌の診断の第一歩は喉頭内視鏡です。喉頭癌は、一般的には表面がごつごつと粗い腫瘤として内視鏡で観察されますが、初期の段階では白斑症のように小さく一見良性に見えることもあります。
喫煙歴のある方で、内視鏡で見た目に癌を疑う腫瘤を認めた場合や、一見良性に見えても病変が短期間で増大する場合には、積極的に組織検査を行って診断をつける必要があります。
喉頭癌が声帯に生じた場合は粗ぞう性嗄声(ガラガラ声)・気息性嗄声(息もれ声)などの嗄声をきたしますが、声帯以外に発生した場合は無症状か、あるいはある程度進行してから呼吸困難・血痰などが生じる場合が多いです。
組織の採取は局所麻酔で実施できる場合もありますが、何らかの理由で難しい場合は入院し、全身麻酔をかけた状態で手術として組織検査を行うこともあります。
喉頭癌(右声帯)の例
喉頭癌と判明した場合、早期癌であれば放射線治療が検討されますが、進行癌である場合、化学放射線療法やのどを部分的・あるいは全て摘出する手術が必要になります。
早期喉頭癌である場合は完治率が高く(80-90%)、早期発見・早期治療が重要です。男性の喫煙者で声の不調が続く方は、是非一度当科を受診してください。
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