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ホーム  診療科のご案内  耳鼻咽喉科  鼓膜穿孔に対する新しい治療
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鼓膜穿孔に対する新しい治療(鼓膜再生療法)

鼓膜穿孔の新しい再生治療について

鼓膜穿孔(こまくせんこう)に対する新しい治療法リティンパ®が2019年9月に承認され、当院でも患者さんの治療が始まっています。

鼓膜穿孔とは

耳の構造
耳の構造

鼓膜穿孔とは、鼓膜が裂けたり破れたりした状態のことをいいます。鼓膜穿孔があると、鼓膜の振動が弱くなり蝸牛にうまく伝わらなくなるなどして難聴になります。また、中耳の感染症の原因になったり、耳だれ(耳漏:じろう)などを引き起こしたりすることもあります。小さな鼓膜穿孔は自然に治る(閉鎖する)こともありますが、鼓膜の穿孔期間、穿孔状態などから自然閉鎖が見込まれない場合には、鼓膜の穿孔を閉鎖する手術が行われます。

鼓膜穿孔の新しい治療

トラフェルミン(商品名リティンパ)を用いた治療法は、穿孔が生じた鼓膜を再生し閉鎖するための新しい治療法です。トラフェルミン(遺伝子組み換え)は、ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子と呼ばれる細胞の分裂増殖をうながす薬です。鼓膜の上皮を刺激して内皮細胞や線維芽細胞などへの分化増殖をうながすことで鼓膜を再生していきます。
さらに血管を新たに作る(血管新生)作用も有しているため、鼓膜への血流量の増加も期待できます。
リティンパによる鼓膜再生手術は、トラフェルミンとそれを溶かす溶解液、および溶かした薬を浸み込ませてじゅうぶんに麻酔したのち、鼓膜の穴のまわりにメスなどで傷をつけて組織を一部とりのぞき、鼓膜再生が起こりやすい状態にします(新鮮創化(しんせんそうか))。その後、トラフェルミンを浸したゼラチンスポンジで穿孔部をふさぎ、組織接着剤で固定します。

鼓膜穿孔の手術後

手術3~4週間後に鼓膜閉鎖を確認し、閉鎖した場合は鼓膜に付着した不要なゼラチンスポンジを除去して治療は完了となります。鼓膜が再生していない場合には、最大4回まで再手術を受けることができます。中耳の中に残ったゼラチンスポンジは、2か月程度で分解され自然吸収されます。ゼラチンスポンジがはずれたり、薬剤が溶け出したりすると、鼓膜の再生ができなくなることがありますので、手術後4週間くらいは中耳に圧力をかけるような強い鼻かみなどは控えていただきます。

副作用と手術適応

副作用としては、耳漏(みみだれ)、また、薬のアレルギー反応で全身発赤、呼吸困難や血圧の低下等によって顔面蒼白、冷や汗、立ちくらみが起こる可能性があります。
この治療はある程度大きめの穿孔に対しても適応可能ですが、細胞増殖因子を使う治療のため、耳の中に悪性腫瘍がある患者さんや、以前に悪性腫瘍があった患者さんは受けることができません。また、現在中耳炎を起こしており耳漏(みみだれ)がある患者さんもこの治療を受けることができません。さらに、鼓膜の穿孔が大きく鼓膜輪(鼓膜の枠部分)が一部欠損している、耳小骨に固着がある慢性中耳炎などでは実施が困難です。

当院では、鼓膜穿孔や慢性中耳炎の治療経験豊富な医師が勤務しており、患者さんからの相談に積極的に対応しております。投与にはいくつかの条件を満たす必要がありますので、自分がそれに該当するかどうか、また費用や治療期間などくわしくお知りになりたい場合にはぜひ当院耳鼻咽喉科医師にご相談ください。

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