鼻腔(鼻の穴の奥)は軟骨と骨からなる鼻中隔で左右にわかれており、鼻腔内には中鼻甲介や下鼻甲介などの正常な部分の張り出しがあります。 通常、鼻は左右交互に詰まっていくものですが(nasal cycleという生理現象です。)、鼻中隔が極端に左右どちらかに曲がっていたり(鼻中隔彎曲症)、下鼻甲介が肥大している場合(アレルギーや代償性の肥大など)には慢性的な鼻づまりの原因となります。 ポリープが多い場合にも鼻づまりの原因となります。 鼻詰まりが睡眠時の無呼吸やいびきの原因となることがあります。
鼻腔(鼻の穴の奥)は軟骨と骨からなる鼻中隔で左右にわかれております。成長の過程で骨と軟骨にゆがみが生じ鼻中隔が彎曲すると考えられております。極端に曲がりが大きい場合には鼻詰まりの原因となります。 この彎曲は鼻の中をみて判断をするものであり、外からは分かりません。
下から見た図
真ん中の白い部分の骨(鼻中隔)が
この図では大きく左(右の鼻腔側)に彎曲していることがわかります。
前から見た図
真ん中の骨が右鼻腔側へと弯曲し、
鼻腔内が狭くなっています。
アレルギー性鼻炎や持続する炎症に伴い下鼻甲介が肥大した状態をいいます。極端に大きい場合には鼻詰まりの原因となります。
まずは抗アレルギー薬の内服や、噴霧薬で症状改善を目指します。それでも鼻詰まりの改善が不十分な場合には手術で改善を目指します。
アレルギー症状が主症状の方にはレーザー治療を選択することがあります。
手術では曲がった軟骨や骨を切除し(鼻中隔矯正術)、肥大した下鼻甲介を減量することで鼻の通りを良くします。(下鼻甲介切除術)
当院で鼻閉の手術を行う場合、約1週間前後の入院となります。
手術前日に入院していただき、翌日に全身麻酔で手術を行います。(寝ている間に手術はおわります。)手術時間は病変に応じて1時間程度になります。
手術後は3時間程度で歩行をしていただき、当日の夕食より食事を再開します。その後鎮痛剤等をもちいて経過観察をしていきながら、術後3-5日程度で鼻の中に挿入したガーゼや板をとり問題なければ退院となります。
退院後は傷の観察のために数回は通院していただきます。
当院での治療の特徴: 当院では年間約50例の鼻閉の手術を行っております。新しい機械を用いて、内視鏡で手術を行います。以前より行われている鼻中隔矯正術と異なり、なるべく軟骨や骨の摘出を少なくしながら鼻中隔の矯正をし、合併症が起こりにくくしております。手術後も痛みの軽減をめざし、ガーゼは最小限にしております。またなるべく短期の入院期間を目指しております。
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