ここがページの先頭です。
ページ内移動メニュー
ヘッダーメニューへ移動します
共通メニューへ移動します
現在の場所へ移動します
本文へ移動します
サイドメニューへ移動します
現在の場所
ホーム  診療科のご案内  耳鼻咽喉科  音声障害(声の不調・声がれ・嗄声)の治療
ここから本文です。

音声障害(声の不調・声がれ・嗄声)の治療

音声障害とは

声の不調を医学的に嗄声(させい)あるいは音声障害と言います。

声の不調は様々です。
主には「声がかれた」、「声がかすれた」という声がれと呼ばれる状態を指しますが、人によっては「声が出にくい」、「頑張って声を出さないといけない」など嗄声はなくとも発声努力の不調になる場合もあります。
普段は声に不調はなくとも、「歌で高い声が出ない」、「仕事で声を使っていると段々かすれてくる」など、特定の場面で声の不調が出るケースもあります。
声に異常ないけれども、「若い時ほど良い声でなくなった」という悩みを持つ場合もあります。

音声障害の厳密な定義は、「音質、声の高さ、声の大きさ、発声努力などの変化により、コミュニケーションを損なう、あるいは生活の質が低下すること」とされています。つまり、上に例を挙げたような様々な声の悩みは、全て医学的に音声障害であると言えます。

当科ではこうした様々な声の悩みに丁寧に対応してまいります。
まずお声の不調の詳しい内容をよくお伺いし、ファイバースコープを用いてのどを診察します。
また、様々な声の検査によって声を分析し、声の状態を様々な側面から客観的に分析します。
それらを総合して、何が原因であるのか、どのような治療が可能であるかを丁寧にご説明し、声の不調の解決をサポートします。

お声の不調でお困りの方、まずは一度ご相談ください。

音声障害の原因

下図は発声に関与する部位の名称です。のどの奥まったところに声帯があります。

発声に関する部位

声帯を内視鏡で上からのぞくと下図の様に見えます。声帯は左右一対の白いひだをしております。発声していない状態では声帯はV字型をしており、息を吸うとその間を息が通ります。下に気管、肺がつながっています。

声帯を内視鏡でのぞいた図

内視鏡写真で示しますと、左下図が息を吸った状態、右下図が発声時です。声帯が真ん中で合わさり、閉じた声帯の間を下から呼気流が通過することで声帯振動が生じます。

内視鏡写真

音声障害の原因は様々ですが、その大多数は声帯に何らかの病変ができることで生じます。

代表的な原因を列挙しますと、急性喉頭炎、慢性喉頭炎、声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯嚢胞(のうほう)、声帯萎縮、声帯溝症、喉頭白斑症、喉頭癌、声帯麻痺、発声障害、歌唱障害、痙攣性(けいれん)発声障害などがあげられます。

この中で音声障害の原因として頻度が多い疾患は、急性喉頭炎、慢性喉頭炎、声帯萎縮です。
音声障害というと声帯ポリープが思い浮かぶと思いますが、実際にそうである可能性は必ずしも高くはありません。

急性喉頭炎、慢性喉頭炎、声帯ポリープ、声帯萎縮、喉頭癌、声帯麻痺、歌唱障害については、別のページ「音声障害」でもう少し詳しく説明しておりますので、そちらをご覧ください。

音声障害の治療

音声障害の治療は診断によって異なりますが、大きく分けると薬物療法、手術治療、音声指導(生活指導、音声訓練)からなります。

言語聴覚士による集中的な音声訓練を必要とする発声障害や、特殊な薬物・機材による治療を必要とする疾患(喉頭乳頭種・痙攣性発声障害など)には一部対応困難な状況にはありますが、音声障害全般の治療に概ね対応可能な体制となっております。

音声訓練

当科には耳鼻咽喉科専属の言語聴覚士がおらず、集中的な音声リハビリを必要するような中等症異常の発声障害の方の治療は、残念ながら現時点では実施できない状況にありますが、発声障害でも軽症例では医師による音声指導を実施しております。
また、加齢による声帯委縮の方を対象に発声拡張訓練(vocal function exercise)による音声指導なども行っております。

声帯内注入術

代表的な手術治療の一つに声帯内注入術があります。

当科では声帯萎縮・声帯溝症・声帯麻痺の方を対象とする声帯内コラーゲン注入術と、声帯瘢痕・慢性喉頭炎・声帯結節などを対象とする声帯内ステロイド注入術を主に行っております。

声帯内注入術は基本的に入院せずに外来で実施可能な手術です。のどにスプレーで麻酔を行って咽頭反射を抑えた状態を作り、内視鏡でのどを観察しながら、特殊な曲がった長い針を用いて経口的に声帯の目的とする部位へ薬剤を注入します。

薬剤は疾患と目的によって使い分けします。声帯内コラーゲン注入術は、コラーゲン製剤を声帯の筋層に注入して、声帯にボリュームをつけて発生時の声帯の閉じを改善させます。声帯萎縮・声帯溝症・声帯麻痺の方を主に対象とします。

声帯内ステロイド注入術は、声帯の炎症性疾患による音声障害を改善させる目的で、炎症のある部位に強い消炎作用をもつステロイド製剤を注入します。声帯瘢痕・慢性喉頭炎・声帯結節などが対象となります。

喉頭微細手術

数日間入院して行う喉頭微細手術も音声障害の手術治療として代表的なものです。
全身麻酔をかけて眠った状態で、喉頭直達鏡という特殊な器具を経口的に挿入し、声帯を見える状態にして固定します。その直達鏡の中を顕微鏡で観察しながら、病変の切除を精密操作で行います。疾患にもよりますが、基本的には30分前後で実施可能で出血も少ない低侵襲の手術です。
声帯ポリープ・声帯結節・声帯嚢胞・喉頭白斑症・喉頭癌などが主な対象疾患となります。

音声障害 目次へ

耳鼻咽喉科のページへ

ここまで本文です。
ここからサイドメニューです。 ここまでサイドメニューです。
^このページの一番上へ
【画像】印刷用のフッター画像です